演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

前立腺癌患者の背景因子および初回治療の実態調査研究~2010年全国多施設共同研究

演題番号 : O100-3

[筆頭演者]
小野澤 瑞樹:1 
[共同演者]
樋之津 史郎:1、塚本 泰司:1、大家 基嗣:1、小川 修:1、北村 唯一:1、鈴木 和浩:1、内藤 誠二:1、並木 幹夫:1、西村 和郎:1、平尾 佳彦:1、赤座 英之:1

1:J-CaP 研究会

 

【目的】近年、前立腺癌への認知が向上するとともにPSA検診にも関心が払われるようになり、発見される前立腺癌の臨床像は大きく変化してきた。また、治療法に関してもより低侵襲かつ成績向上を目指した様々な治療法が導入されてきており、前立腺癌の治療法も大きく変化してきた。本研究では、今日の我が国における前立腺癌の患者背景、腫瘍像および治療実態を明らかにするために、全国の泌尿器科に参加を募り観察研究を行った。【対象と方法】病理組織学的に前立腺癌の診断を受け、初回治療が2010年に開始された前立腺癌患者8440例が全国の140施設からNPO法人J-CaP研究会のデータベースへ登録され、診療録から後ろ向きにデータが収集された。全登録患者のうち、組織診が2009年または2010年に実施され、主要項目に欠測値のない8326例を対象として、診断時の患者および腫瘍背景、初回治療法などについて集計した。【結果】診断時の年齢中央値は71歳、T分類の内訳はT1, 41.5%、T2, 35.6%、T3, 18.3%、T4, 4.3%、N分類の内訳はN0, 91.2%、N1, 7:7%、M分類の内訳はM0, 89.6%、M1, 10.5%であり, T1cN0M0が39.7%を占めていた。臨床病期分類はI期58.3%、II期16.1%、III期11.3%、IV期13.6%であった。PSA値は10ng/ml以下が51.9%を占めていた。全対象症例の初回主治療の内訳は、前立腺全摘除術32.0%、放射線治療21.2%、内分泌療法40.1%、PSA監視療法6.4%であった。前立腺全摘除術のうち鏡視下またはロボット補助下手術の割合は19.5%で、放射線治療のうち強度変調放射線治療の割合は20.1%であった。病期IまたはIIでの治療の内訳は、前立腺全摘除術39.5%、放射線治療24.1%、内分泌療法27.9%で、病期IIIではそれぞれ19.7%、24.5%、54.7%であった。前立腺全摘除術のうち神経血管束温存は病期I、病期II、病期IIIのそれぞれ30.5%、19.4%、10.3%で、放射線治療のうち小線源療法はそれぞれ56.6%、30.3%、8.3%で行われていた。内分泌療法のうちcombined androgen blockadeは病期IまたはIIの64.7%、病期IIIの80.7%、病期IVの86.9%で行われていた。【考察】過去の全国集計と比較し、PSA低値、低臨床病期の前立腺癌が著しく増加している一方で、有転移症例は1割ほど存在しており減少傾向は明らかではないものと考えられた。治療法に関しては、多様化が進んでいることや、リスクに応じて治療法が選択されている実態が示唆された。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:疫学・予防

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