演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

FADD のリン酸化は根治的前立腺全摘除術後のPSA再発における独立予後因子である

演題番号 : O100-2

[筆頭演者]
田中 宣道:1 
[共同演者]
池田 朋博:2、松村 善昭:3、辰巳 佳弘:1、穴井 智:1、千原 良友:1、平山 暁秀:1、島田 啓司:4、小西 登:4、藤本 清秀:1

1:奈良県立医科大学 泌尿器科、2:平尾病院 泌尿器科、3:奈良社会保険病院 泌尿器科、4:奈良県立医科大学 病理病態学

 

【目的】FADD (Fas-associated death domain) はアポトーシスを誘導するタンパク質であり、我々はこれまでにリン酸化FADD (以下、pFADD) が高い症例では、前立腺全摘除術後のPSA再発が有意に低いことを報告した。今回、再発予後因子としてpFADDの有用性を臨床病理学的因子と比較することを目的とした。【対象と方法】前立腺全摘除術を施行した未治療症例102例(pT2-3N0M0)を対象とした。全摘標本をAnti-pFADD at 194:Cell Signaling (Mass., USA)を用いて免疫組織染色し、1000細胞中のpFADD陽性細胞を測定して陽性細胞比率を算出した。ROC曲線からカットオフ値を15%と設定した(AUC:0.881)。臨床病理学的因子として、生検時PSA(iPSA)、生検グリソンスコア(bGS)、手術時年齢、臨床病期(cT stage)、全摘グリソンスコア(pGS)、病理病期(pT stage)、被膜外浸潤(EPE)、精嚢浸潤(SVI)、切除断端所見(RM)を用いて検討した。また、サブグループ解析として、生検標本のpFADD陽性率を検討し得た66例に関しても検討した。PSA再発率の比較はKaplan-Meier法を用いてLog-rank testで検定した。予後因子の解析はCox比例ハザードモデルを用いた。全摘と生検pFADD陽性率の相関はピアソンの相関係数を用いた。【結果】全102例中、平均観察期間36ヶ月中に38例がPSA再発した。pFADD陽性群と陰性群の5年PSA非再発率は、85%および8%で陽性群の非再発率が有意に高かった(p<0.001)。単変量解析では、iPSA、bGS、EPE、RM、pT stageおよび全摘pFADDが有意な因子であり、多変量解析では全摘pFADDが独立因子であった(HR:11.4, 95%CI:4.6-27.8, p<0.001)。切除断端陰性75例のサブ解析では、全摘pFADDが単変量解析で有意な因子であった(HR:15.2, 95%CI:4.5-51.7, p<0.001)。生検pFADD陽性率を検討し得た66例では、全摘pFADDと生検pFADD間に有意な相関を認めた(r2=0.39,p<0.001)。生検pFADDを用いた解析では、単変量解析でiPSA、bGS、RM、pT stage、生検pFADDが有意な因子であり、多変量解析では生検pFADDが独立因子であった(HR:6.0, 95%CI:2.1-16.8, p=0.001)。さらに切除断端陰性46例のサブ解析でも、単変量解析ではiPSA、bGSおよび生検pFADDが有意な因子であり、多変量解析では生検pFADDが独立因子であった(HR:4.0, 95%CI:1.04-15.5, p=0.044)。【結語】全摘標本および生検標本におけるpFADD陽性率は、PSA再発に関する非常に強い予後予測因子である。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:手術療法

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