演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行再発乳癌における新規抗がん剤エリブリン使用症例40例のサブタイプ別検討

演題番号 : O10-3

[筆頭演者]
浅野 有香:1 
[共同演者]
柏木 伸一郎:1、石原 沙江:1、呉 幸枝:1、渡邊 真央:1、森崎 珠実:1、野田 諭:1、川尻 成美:1、中野 妙子:2、川上 紀子:3、光川 康子:3、高島 勉:1、小野田 尚佳:1、石川 哲郎:4、平川 弘聖:1

1:大阪市立大院腫瘍外科、2:大阪市立大学病化学療法セ、3:大阪市立大学病薬剤部、4:市立柏原病外科

 

【背景】エリブリンは非タキサン系の新規微小管ダイナミクス阻害剤である.海外第III相EMBRACE試験にて進行再発乳癌における全生存期間の延長が示され,前治療歴のある進行再発乳癌に対する使用が承認された.われわれの施設では第II相試験として,初回化学療法としての有用性および安全性の検討を行っている.これらの症例も部分的に併せて,当院使用症例40例を乳癌サブタイプ分類から検討した.【対象と方法】2011年8月から2013年3月までに本剤にて治療を行った手術不能もしくは転移・再発乳癌症例40例を対象とした.その有効性について奏効率 (ORR), クリニカルベネフィット率 (CBR), 病勢コントール率 (DCR), 全生存期間 (OS), 治療成功期間 (TTF) を指標とし,ER, PR, HER2, Ki67の発現状況からサブタイプに分類し検討を行った.さらに,化学療法の前治療レジメン数が0あるいは1をEarly line, 2レジメン以上をLate lineと設定し,投与ラインによる効果の違いについても検討を加えた.【結果】年齢中央値は64歳.Early lineが20例,Late lineが20例,臨床試験としてのFirst lineが17例であった.乳癌サブタイプ分類では,Luminal Aが10例 (25 %), Luminal Bが10例 (25 %), Triple-negativeが16例 (40 %), Luminal HER2が2例 (5 %), HER2 enrichedが2例 (5 %) であった.全体のORRは35.0 %, CBRは42.5 %, DCRは47.5 %であった.ORRはLuminal A 40.0 %, Luminal B 40.0 %, Triple-negative 31.3 %, Luminal-HER2 50.0 %, HER2 enriched 50.0 %とほぼ同等であった.一方でEarly line使用症例は,Late line症例と比較し有意にTTFを延長していた (p=0.001, log-rank).しかしながらサブタイプ別の検討では,TTFに差を認めなかった.有害事象の検討では,初回投与時の骨髄抑制,長期投与による知覚性末梢神経障害などが確認されたが,比較的軽微であり忍容性も高いものと考えられた.サブタイプ別解析では,有害事象においても有意差は確認されなかった.【結語】今回の解析において,乳癌サブタイプによるエリブリンの有用性・忍容性の相違は認められなかった.しかしながらEarly lineで使用することで,高い治療効果が期待できることが示唆された.

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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