演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

長期間にわたりビノレルビンが有効な進行再発乳癌の特徴

演題番号 : O10-2

[筆頭演者]
曳野 肇:1 
[共同演者]
村田 陽子:2、林 美幸:3

1:松江赤十字病院 化学療法科、2:松江赤十字病院 乳腺外科、3:松江赤十字病院 看護部

 

【はじめに】ビノレルビン(VNR)は有害事象が比較的少なく、長期にわたり病勢コントロールに有効な症例があるが、どのような症例が適しているか明らかでない。そのため、自験例でビノレルビンの長期投与使用症例に関する検討を行った。【方法】2005年11月~2013年4月までの間、当科で治療した進行再発乳癌患者のうち、VNRを2サイクル以上投与し、治療効果が判定できた28症例を対象とした。このうち、1年間以上の治療を行ったL群と、治療期間が1年未満であったS群の両者の患者背景の比較検討を行った。【結果】28例中L群は11例(39%)、S群は17例(61%)であった。全例女性であり、平均年齢はL群58歳(39~76歳)、S群61歳(41~83歳)であった。初診時stage IV症例はL群5例、S群4例、再発症例における初再発までの平均DFIはL群5.6年(1~8年)、S群7.5年間(10ヶ月~21年5か月)であった。投与スケジュールは基本的に2投1休の3週間ごとであったが、平均1回投与量はL群20mg/体表面積、S群22mg/体表面積、平均治療期間はL群558日間(420~951日、うち継続中4例)、S群130日間(29~270日)であった。アンスラサイクリンあるいはタキサンによる先行治療例はL群8例(73%)、S群12例(71%)と差を認めなかった。PhenotypeはLuminal型、luminal HER2型、triple negative型がそれぞれL群6例/3例/2例、S群16例/1例/0例であり、HER2陽性の場合には全例でトラスツズマブを併用していた。治療開始時にL群では肝転移を有していた症例はなかったが、S群では9例(53%)に肝転移があり、両者に有意差を認めた。また両群全体においてPDとなった症例で肝転移が増悪した例が11例(50%)であった。VNRの治療中は経度の骨髄抑制以外の有害事象はほとんどなく、QOLは高く保たれている印象であった。【まとめ】アンスラサイクリンあるいはタキサン既治療例でも1年以上の長期にわたりVNRが有効な症例があるが、肝転移のない症例では検討に値すると思われた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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