演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

高CEA血症を伴う手術可能乳癌の特徴からみる治療戦略についての検討

演題番号 : O10-1

[筆頭演者]
秋吉 清百合:1 
[共同演者]
中村 吉昭:1、石田 真弓:1、厚井 裕三子:1、及川 将弘:1、西村 純子:1、井川 明子:1、猿渡 彰洋:1、古閑 知奈美:1、田口 健一:2、大野 真司:1

1:九州がんセンター 乳腺科、2:九州がんセンター 病理診断科

 

背景:1)CEA値は乳癌の初期治療後のフォローアップマーカーとしては、日本乳癌学会ガイドラインではC2である。2)高CEA血症を伴う乳癌のうち、術後速やかにCEA値が正常化するCEA産生型乳癌が存在する。最近乳癌術後にCEA値が低下せず、合併した肺癌の治療後に低下した症例を経験した。そのCEA免疫組織染色では、それぞれ乳癌組織は陰性、肺癌組織は陽性であった。目的:術前高CEA血症を伴う乳癌に対して、高CEA血症は乳癌組織由来かどうか生物学的特徴を合わせて、またCEA値の推移が治療効果と相関しているか検証し、CEA免疫組織化学染色が治療戦略の一助となる可能性について検討した。方法:2009年1月から2012年3月までに測定された乳癌患者血清1976検体(296症例;重複測定を含む)のうち、再発や明らかな転移症例を除いた5.1ng/ml以上の高CEA値であった切除手術を施行した患者22症例(1例は同時性両側、1例は異時性両側を含む)を対象とした。摘出標本におけるCEA免疫組織化学染色(全部で24病変)の陽性・陰性を調べ、乳癌の生物学的特徴との関連をカイ2乗検定で比較検討した。また治療前後でのCEA値の推移も解析した。結果:CEA免疫組織化学染色での陽性例(focal陽性6病変、強陽性5病変)では、1)CA15-3値の異常高値はなかった。2)乳頭腺管癌が多かった。3)血中CEA値とは相関していなかった。4)HGは高い傾向にあった。5)lyは陽性のものが多かった。6)tは5.0cm以下が多かった。7)ER,PR,Her2の発現とは有意差を認めなかった。8)喫煙率は低かった。喫煙者と大腸ポリープ合併者であった2例を除いては、いずれも乳癌の切除術後に速やかに血中CEA値は正常化した。CEA免疫組織化学染色での陰性例13病変では、2例は肺癌合併であったが、肺癌に対する治療によりCEA値は低下した。低下しなかった1例は術後2ヶ月で肝転移、肺転移をきたした。また術後1年以上経過しても10前後のCEA値が持続した3例は喫煙指数400以上の喫煙者であった。結論:高CEA血症を伴う手術可能乳癌症例に対して、切除標本のCEA免疫組織化学染色を施行し、陰性であった場合、他の癌の存在、特に肺癌の合併を見逃さないようにすることが重要であることが示唆された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:その他

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