演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

本邦の切除不能進行・再発胃癌におけるHER2 status の検討 -前向き観察研究JFMC44

演題番号 : O1-6

[筆頭演者]
富田 寿彦:1 
[共同演者]
陳 勁松:2、梨本 篤:3、西川 和宏:4、三木 明:5、山口 和也:10、吉川 貴己:6、森田 智視:7、落合 淳志:8、坂本 純一:9、佐治 重豊:9、吉田 和弘:10

1:兵庫医科大 内科学 上部消化管科、2:がん研有明病 消化器内科、3:新潟県がんセ 外科、4:大阪府急性期総合医療セ 外科、5:神戸市医療セ 中央市民病 外科、6:神奈川県がんセ 消化器外科、7:横浜市大 院医 臨床統計学 疫学、8:国立がん研究セ 東 臨発セ 臨床腫瘍病理、9:公財)がん集学的治療研究財団、10:岐阜大 院医 腫瘍外科学

 

(背景)トラスツズマブは第III相臨床試験(ToGA試験)においてHER2陽性胃癌に対する効果が証明され標準治療として推奨されている。ToGA試験でのHER2陽性率は、参加各国のスクリーニング結果では、全参加国の22.1%に比べ本邦の陽性率は27%と高い事が示された。しかし、ToGA試験は治療を前提とした測定結果であり、患者背景に偏りが生じている可能性があるため、本邦における胃癌での真のHER2陽性率およびHER2陽性と関連する因子を探索するため、前向き観察研究を実施した。(方法) 2011年8月1日以降に診断された切除不能な進行・再発胃癌を対象に中央判定によるHER2検査を実施しHER2 statusの分布を検討した。HER2検査は全例にIHC法およびFISH法を行い、IHC3+またはFISH+をHER2陽性とした。HER2陽性率および、HER2陽性と患者背景因子ならびに標本背景因子との関連を検討するとともに、IHC0/1+でFISH陽性となる群の患者背景因子ならびに標本背景因子との関連を検討した。(結果)2011年9月~2012年6月に157施設より1461例が登録された。HER2評価が実施されたのは、FISH判定不能症例20例および不適格6例を除く1435例であった。患者背景は、男性/女性:1026/409、年齢中央値68歳(範囲:23-99)、高度進行/再発:1045/390、生検標本/手術標本:750/685。 HER2陽性率は21.1%であり、HER2強陽性(IHC 3+またはIHC 2+かつFISH陽性)の割合は15.5%であった。多変量解析を実施したところ、腸管型(Lauren分類)、腹膜転移なし、肝転移ありがHER2陽性と相関が認められ、また65歳以上、腸管型(Lauren分類)、壁深達度T0-T3においてIHC0/1+でHER2遺伝子増幅を伴ったものが有意に多いことが示された。(結語)日本人の切除不能進行・再発胃癌患者におけるHER2陽性率はToGA試験における陽性率と同等であった。また、多変量解析で認められた結果は胃癌のHER2陽性患者に対する治療戦略の情報として重要であり、胃癌における個別化治療の推進に向けた研究結果として報告する。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:バイオマーカー

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