演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

腹膜播種陽性または腹腔洗浄細胞診陽性胃癌におけるHER2発現

演題番号 : O1-3

[筆頭演者]
江本 成伸:1 
[共同演者]
石神 浩徳:1,2、山口 博紀:1、北山 丈二:1、渡邉 聡明:1

1:東京大学 腫瘍外科、2:東京大学 外来化学療法部

 

ToGA試験により、HER2陽性進行・再発胃癌に対するトラスツズマブの有効性が確認された。また、本邦で実施されたJFMC44-1101研究では、腹膜転移陽性(P1)例におけるHER2陽性率は14%であり、陰性例の23.2%と比較して低率であった。しかし、HER2発現と予後との関連性は未だ明らかにされていない。当科では第II相試験により、P1または腹腔洗浄細胞診陽性(CY1)胃癌に対するS-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法の有用性を確認し、現在第III相試験を実施中である。頻度は低いが、P1症例中にもHER2陽性例は存在するため、全身化学療法、腹腔内化学療法とトラスツズマブを併用した治療法の開発が必要である。今回、P1またはCY1胃癌症例におけるHER2発現と各種背景因子との関連を後方視的に検討した。【対象】2005年以降に腹腔内化学療法を施行したP1またはCY1初発胃癌101例。【方法】治療開始前の原発巣の生検検体を用いて、IHC法による評価を行い、IHC2+または判定不能の場合にFISH法を追加した。HER2強陽性をIHC3+、または、IHC2+かつFISH陽性と定義し、臨床病理学的因子および予後との関連を検討した。【結果】患者背景は、年齢中央値60歳(28-86歳)、男/女 54/47例、PS 0/1/2 72/27/2例であった。肉眼型は4型が63例と最も多く、組織型では未分化型または混合型が計91例と多くを占めていた。規約第12版分類ではP0CY1/P1/P2/P3 8/9/23/61例と高度播種症例が多く、70例に腹水貯留を認めた。IHC法では、0/1+/2+/3+/判定不能 64/26/1/7/3例であり、FISH法を追加した総合判定では、HER2強陽性率は7.1%であった。背景因子別のHER2強陽性率は、年齢60歳以上で12%、肉眼型3型で15%、分化型で20%と高い傾向を示し、多変量解析では組織型のみが独立してHER2発現と相関していた (P=0.0079)。HER2強陽性例の生存期間中央値は15.1ヶ月であり、陰性例では25.2ヶ月であった (n.s.)。【結論】P1またはCY1胃癌症例におけるHER2強陽性率は7.1%であり、背景因子別では分化型症例において20%と比較的高率を示した。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:分子標的治療

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