演題抄録

基調講演

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

介護医療支援向けパートナーロボットの開発

演題番号 : KL-6

[筆頭演者]
玉置 章文:1 

1:トヨタ自動車株式会社 パートナーロボット部

 

 トヨタは、愛知万博への人型ロボット出展後、2007年にパートナーロボットの実用開発ビジョンを公表し4つの領域(生産補助・パーソナルモビリティ・医療介護支援・生活支援)での実用化を目指している。特に、医療介護分野への取り組みの背景にあるのが少子高齢化問題である。2050年の日本では、2.5人に1人が65歳を超え、脳卒中などでの疾病により生活の自由が制限されたり、被介護の増加により充分な支援が得られない状況が容易に想定される。 トヨタは、明るく活力ある社会の継続・QOLの向上を支えるため、この分野で4つのロボットの実用化開発をすすめている。ひとつは、ポリオ・脳卒中などによる片麻痺患者の歩行を補助するする「自立歩行アシスト」と、このロボットを片麻痺急性期のリハビリ訓練に応用した「歩行訓練アシスト」で、膝の振出しをロボット制御でサポートすることで、安定した歩行やリハビリ訓練期間の短縮・回復度の向上を支援する。また、要介護状態となる原因のひとつに転倒がある。この転倒を防ぐため、疾病や足腰の衰えによる身体のバランス機能の低下を防止・向上させるのが「バランス訓練アシスト」である。パーソナルモビリティロボット「ウィングレット」の2輪倒立制御を用い、ゲームを楽しみながら体重移動によるバランス運動をすることができる。もうひとつのロボットは介護者を補助する「移乗アシスト」である。介護現場での移乗作業は大きな負担となっており、腰を痛める要因となっている。ロボットで被介護者をやさしく保持し持ち上げることをサポートすることで介護現場での負担の低減が期待できる。 これらの医療介護ロボットは、藤田保健衛生大学との医工連携のなかで現地現物の共同開発を進めることにより、現場で求められるニーズを直接反映したものとなっている。今後さらに実証の場を拡大し早期の実用化につなげたい。あわせて、「ロボットと暮らす社会」を支える環境整備を産官学が連携しても進める必要がある。例えば、規制緩和、製品規格・認証のしくみ作りだけでなく、ロボットに対する心情・意識の改善を社会全体としてすすめることが重要であると考える。

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