演題抄録

支援研究成果発表会

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

高齢者切除不能進行・再発胃癌を対象としたS-1/CDDP療法の多施設共同第II相試験

演題番号 : GR-3

[筆頭演者]
岩佐 悟:1 
[共同演者]
濱口 哲弥:1、後藤 昌弘:2、富所 隆:3、笹木 有佑:1、長井 祐志:4、浅見 千佳:4、長島 健悟:5、島田 安博:1

1:国立がん研究センター中央病院 消化管内科、2:大阪医科大学 化学療法センター、3:長岡中央綜合病院 消化器内科、4:国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター 臨床試験支援室、5:千葉大学医学部付属病院 臨床試験部

 

【背景】切除不能進行・再発胃癌の国内標準治療は、S-1/CDDP療法である。これは、国内臨床第III相試験であるSPIRITS試験の結果に基づいている。SPIRITS試験をはじめとした胃癌のほとんどの国内第III相試験の適格規準の年齢上限は75歳とされている。実臨床では、高齢者の治療は全身状態や臓器機能を判断して薬剤選択・用量設定を行っている。高齢者では、血清クレアチニン値が正常範囲内であってもクレアチニン・クリアランスが低下していることが多い。キードラッグであるS-1とCDDPは腎排泄型であることから、クリアランス低下により薬物有害反応が強くなると考えられる。【目的】76歳以上の高齢者の切除不能進行・再発胃癌患者を対象に、クレアチニン・クリアランスに基づき用量設定したS-1/CDDP療法の有効性と安全性を確認する。【方法】対象は、76歳以上の未治療の切除不能な進行または再発胃癌、ECOG PS:0-1、主要臓器機能が保たれている症例とし、多施設共同の単アームの臨床第II相試験として登録中である。主要評価項目は全生存期間、副次評価項目は、奏効割合、無増悪生存期間、治療成功期間、有害事象発生割合とした。治療法は、クレアチニン・クリアランスに基づき、S-1(day1-22)およびCDDP (day8)の点滴静注の用量設定をし、5週を1サイクルとして継続する。明らかな増悪また治療継続不能な有害事象を認める、もしくは最大8サイクルまで実施する。予定登録数40例、登録期間1.5年、追跡期間は登録終了後1.5年、総研究期間3年である。【進捗】国立がん研究センター倫理審査委員会の承認を得て、2012年11月14日より研究を開始した。登録状況は、2013年5月時点で10例である。高齢者の切除不能な進行・再発胃癌に対して、腎機能(クレアチニン・クリアランス)に基づいたS-1/CDDP療法が有効性を損なうことなく安全に実施可能であれば、高齢者胃癌の標準治療になりうると考える。

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