演題抄録

理事長講演

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

明日に向かって

演題番号 : CL

[筆頭演者]
西山 正彦:1 

1:群馬大院医病態腫瘍薬理学

 

設立51年目を迎え、日本癌治療学会は着実に新時代へのステップを刻もうとしております。その基幹は、がん医療における学術的貢献にあることはいうまでもありませんが、同時にその成果やこれに基づく学術的提言を国内外へと発信していくことが強く求められています。その努力は着実に結実しつつあり、がんに対する総力戦に献身する学会として広く国内外に認知されつつあります。昨年、新たな時代のキーワードとして、国際化、教育活動の拡充・促進をあげましたが、新たにEuropean CanCer Organization (ECCO)との連携関係を確立し、ASCO, ESMO, EORTC, FACO (CSCO, KACO)等に加えての国際連携にさらに厚みが増しました。FACOも東京オフィスが実働を開始し、データセンターの設立が進んでいます。これを受けて、2013ASCO 学術総会時の定期協議会議ではゲノム情報を基盤とする新たなグローバル臨床開発研究のあり方に対する検討が開始されました。すでに国際協調なくして、先端的な医療開発も日常医療(標準的治療の確定の基づく診療ガイドラインの作成など)も成り立たない時代となりました。「国内外、特にアジアとの協調」を主軸理念として、がん医療のグローバル化に対応するのみではなく、これを支える組織に発展していくことは、本学会の使命の一つと考えております。国内では、がん対策基本計画が見直され(平成24年6月)、「がん患者を含む国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会」を目指し、「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」が進められております。子供に対するがんの教育の個別目標への取り込み、診療連携拠点病院の見直し、がん研究のあり方の再確認等が進行するなか、日本癌治療学会には、教育・広報活動の範囲をさらに広げ、学校教育への支援やがん医療ネットワークに必要な人材の養成への貢献が期待されております。従来からの検討事項であったがん医療コーディネーター(仮称)養成構想にも明確な方針を打ち出すべき時であり、罹る前からの「がん教育」への具体的な関与の在り方についても実践を目指した検討を開始すべき時でもあります。日本癌治療学会の会員サービスの向上への努力も含めた1年間の新たな軌跡とともに、将来へ向けて、明日へ向けての方向性についてご報告いたします。

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