演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

高齢者における経口抗がん薬のアドヒアランスに関する医療者対象のアンケート調査

演題番号 : P-493

[筆頭演者]
五十嵐 隆志:1 
[共同演者]
松井 礼子:1、小川 朝生:2

1:国立がん研究センター東病院・薬剤部、2:国立がん研究センター東病院・精神腫瘍科

 

【目的】経口抗がん薬治療におけるアドヒアランス(AD)は、抗がん薬を既定のスケジュール通りに正しく服用することに加え副作用発現時や緊急時に患者が正しく対応出来るか等が含まれる。経口抗がん薬治療のAD低下に影響する要因とその実態を明らかにし、医療者が望ましいと考える対応を探索することで、AD向上へのベストプラクティスに繋げることを目的とした。
【方法】全国のがん診療連携拠点病院436施設の外来化学治療室に従事する薬剤師及び看護師の各1名を対象としたアンケート調査を実施。アンケート内容は、経験した高齢者のAD不良事例に対して、WHOのADの定義に基づく要因の分類と望ましい対策方法とした。
【結果】回収率は全体27.2%(薬剤師28.4%、看護師25.9%)。AD不良患者の経験が「あり」の回答は薬剤師87%、看護師88%だった。経験したAD不良の要因として、「患者に関連した要因」が最も多く、次に「治療法に関連した要因」が多かった。「患者に関連した要因」であった場合の問題点として、「認知機能」、「疾患と治療についての知識」が多く挙げられた。望ましい対応として周囲のサポートが必要であり、地域連携や多職種連携が望ましいという回答が多かった。「治療法に関連した要因」であった場合の問題点として、「服用期間などが複雑」、「内服困難につながる副作用の発現」が多く挙げられた。望ましい対応としてテレフォンフォローアップや継続的な介入が望ましいという回答が多かった。AD不良患者に対する施設全体での取り組みがあると回答したのは薬剤師5%、看護師4%。所属施設内での情報共有体制があると回答したのは薬剤師60%、看護師50%であるのに対し、施設外との情報共有体制があると回答したのは薬剤師27%、看護師21%であった。
【考察】高齢者のAD不良患者の経験は薬剤師、看護師のいずれも「あり」が約9割と高いものの、施設全体での取り組みに至っている施設は乏しいことが明らかとなった。AD不良の要因として多かった「認知機能」や「疾患や治療についての知識」、「服用期間などが複雑」、「内服困難につながる副作用の発現」は、いずれも患者へのサポート体制の強化や多職種連携、地域連携、テレフォンフォローアップを必要とする回答が多かったことよりアクティブアセスメントの実施がAD向上への望ましい手法の一つと考えられた。しかし、施設外との連携を実施できている施設は少なく、体制整備が必要と考えられる。

キーワード

臓器別:その他

手法別:化学療法

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