演題抄録

ポスター

開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

イリノテカン併用化学療法のコリン様症状発現状況と対策

演題番号 : P-491

[筆頭演者]
鶴見 里佐:1 
[共同演者]
細見 英樹:1、竹下 由喜枝:2

1:富良野病院・薬剤科、2:富良野病院・看護部

 

【目的】大腸がんや膵がんなどの進行がんに対する標準療法とされるイリノテカン併用化学療法を施行している患者は多い。有害事象の一つである悪心に対しては、制吐薬適正使用ガイドラインが提唱されており施設を問わず十分な対策ができている。一方、コリン様症状に対してガイドライン等はなく、施設ごとの対応となっている。今回、コリン様症状を毎回訴える症例がいたため、コリン様症状への対策が必要と考え、その発生状況について調査したので報告する。
【方法】イリノテカン併用化学療法を施行した延べ患者23名 (大腸がん18名、膵がん5名) を対象とし、診療録よりコリン様症状の有無を調査した。
【結果】コリン様症状ありの患者は56.5% (13/23名) だった。症状の発現は、イリノテカン投与後60~120分がほとんどだった。症状が発現した時期は、毎回出現:3名、初回~2コース目:9名、5コース目以降:1名だった。コリン様症状の内訳は、発汗7名、ほてり6名、嘔気6名、鼻水3名、下痢2名、腹痛1名、構語障害1名だった。イリノテカンの平均用量について、コリン様症状あり:138.5mg/m2、コリン様症状なし:128.3mg/m2と、コリン様症状ありのほうが高い傾向があった。平均年齢について、コリン様症状あり:60.2歳、コリン様症状なし:68.5歳と、コリン様症状ありのほうが若かった (p<0.05)。コリン様症状が毎回出現する症例に対しブチルスコポラミン錠の予防的服用をおこなったところ、コリン様症状の軽快が認められた。
【考察】イリノテカン併用化学療法では、コリン様症状を経験した患者が過半数いることがわかった。診療録からの調査のため、コリン様症状を発現していた患者は今回の調査結果より多い可能性が考えられる。イリノテカンのコリン作用は、用量依存的であることが報告されており、今回の調査でもイリノテカンの用量が減量されていない初回~2コース目でコリン様症状を発現する患者が多かった。今後、コリン様症状を患者に我慢させないよう適切な対応を検討していく。

キーワード

臓器別:その他

手法別:化学療法

前へ戻る