演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

周術期乳がんに対するWeekly-PTX療法とdose-denseEC療法の投与順序に関する検討

演題番号 : P-490

[筆頭演者]
山本 香:1 
[共同演者]
重川 崇:2、淺川 英輝:2、朴 圭一:2、大沢 かおり:3、馬場 紀行:2

1:東京共済病院・薬剤科、2:東京共済病院・乳腺科、3:東京共済病院・乳がん相談支援センター

 

【目的】乳がん術前・術後化学療法としてWeekly-PTX(以下W-PTX)療法とdose-denseEC(以下ddEC)療法を行うことが確立している。しかし投与順序が治療効果や有害事象に与える影響に関しては十分な検討が行われておらず明らかではない。そこで今回投与順序が与える影響について検討した。
【方法】2017年1月から2020年3月までに投与を開始した周術期乳がん患者58症例を対象として、W-PTX→ddECをP群、ddEC→W-PTXをE群とした。患者背景因子に年齢、治療関連因子にrelative dose intensity(以下RDI)、完遂率、投与の延期/中止の頻度、再発率、主な有害事象(W-PTX:末梢神経障害・筋肉痛・関節痛・倦怠感、ddEC:悪心・嘔吐・発熱性好中球減少症・倦怠感)の発現率を後方視的に比較し検討した。統計解析にはMann-WhitneyのU検定及びFisherの正確検定を用いて単変量解析を行った。さらにP<0.1の因子についてロジスティック回帰を用いて多変量解析を行った。
【結果】P群36例(62.1%)/E群22例(37.9%)の58例、年齢中央値がP群47.5(29~65)歳/E群48(29~66)歳。RDIの平均値がW-PTX:P群93.2±10.7%/E群94.9±6.1%、ddEC:P群94.1±9.9%/E群97.9±6.1%、完遂率がW-PTX:P群28例(77.8%)/E群21例(95.5%)、ddEC:P群35例(97.2%)/E群21例(95.5%)。投与の減量はなく延期がW-PTX:P群13例(36.1%)/E群10例(45.5%)、ddEC:P群13例(36.1%)/E群2例(9.1%)、中止がW-PTX:P群8例(22.2%)/E群1例(4.5%)、ddEC:P群1例(2.8%)/E群1例(4.5%)。再発率がP群5例(13.9%)/E群3例(13.6%)。有害事象の中でddEC療法におけるGrade1の悪心がP群6例(16.7%)/E群12例(54.5%)。単変量解析でP<0.1の因子はRDI(P=0.052)、投与延期の頻度(P=0.031)、Grade1の悪心の発現率(P=0.004)であった(すべてddEC療法時)。因子間の影響を排除するために多変量解析を行った結果、ddEC療法におけるGrade1の悪心の発現率がE群で有意に高かった(OR:0.138 95%CI:0.036-0.527 P=0.004)。患者背景、治療効果、投与状況、W-PTX療法の有害事象に有意な差はなかった。
【考察】全例で制吐薬を制吐療法ガイドライン通り適切に投与している。Grade1の悪心を制吐薬だけで完全に抑えるのは難しく、W-PTX療法を先に投与することでddEC療法におけるGrade1の悪心を軽減できる可能性が示唆された。化学療法に伴う悪心には心理的要因が大きく関与するので、先に悪心リスクの低いW-PTX療法を経験したことで治療への不安が軽減した影響が大きいと考えられる。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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