演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

高齢大腸癌患者に対するCAPOX+BEV, mFOLFOX6+BEVの忍容性に関する検討

演題番号 : P-481

[筆頭演者]
住谷 達也:1 
[共同演者]
阿部 多一:1、林 哲哉:1、井口 恵美子:1、森 康一:2、大田 貢由:2、猪股 克彦:1

1:横浜市立みなと赤十字病院・薬剤部、2:横浜市立みなと赤十字病院・大腸外科部

 

【目的・背景】進行再発大腸癌に対してはフッ化ピリミジン系薬剤にオキサリプラチンもしくはイリノテカンの併用療法に血管新生阻害薬もしくは抗EGFR抗体薬を組み合わせるのが一次治療として推奨されている。しかし高齢者に対する治療報告は限られており、薬剤選択に難渋することが多々ある。そこで今回、治療経過を後方視的に評価することで選択の一助としたく、横浜市立みなと赤十字病院(以下当院)で治療実施症例が比較的多く集まったCAPOX+BEVとFOLFOX6+BEVで比較を行った。
【方法】2015年4月から2018年3月の期間中に、当院外科でCAPOX+BEV(以下C群)もしくはmFOLFOX6+BEV(以下F群)が一次治療として選択された70歳以上の進行再発大腸癌患者を対象に検討を行った。調査項目は各薬剤投与量、治療期間、各生化学検査項目、非血液毒性、中止理由とし、有害事象はCTCAEv4.0に基づき評価を行った。
【結果】対象期間中にC群は7症例、F群は9症例に対し治療が行われていた。治療期間の平均値はそれぞれ、238日、300日となりF群の方が長かったが有意差を認めなかった(p=0.536)。RDI (Relative Dose Intensity)はオキサリプラチンでC群とF群共に50%台(p=0.918)、フッ化ピリミジン系薬剤では64%,71%とF群の方が良好であった(p=0.210)。ベバシズマブでは64%,50%とC群が良好であった(p=0.536)。Grade3の有害事象は高血圧がC群2例F群5例、下痢がC群F群でそれぞれ2例ずつとなった。Grade3以上の悪心、嘔吐、末梢神経障害、蛋白尿に関しては両群において認めなかった。治療に伴う有害事象を理由とした減量症例はC群F群でそれぞれ1例、中止症例はC群F群でそれぞれ4例ずつとなった。
【考察】副作用が同等であり治療期間が長く維持できていたことからF群の方が忍容性が高いと推察された。フッ化ピリミジン系薬剤のRDIがF群で良好であったのは注射剤であり用量調節が細かくできたためではないかと推測される。また、有害事象の観点からBV併用であったためGrade3の高血圧を高頻度で両群に認めたことから血圧の把握、発症時の介入の重要性が示唆された。Grade2以下ではあるが尿蛋白発現による中止も認めたことから、受診時の定期的な尿検査によるUPC比の把握も重要であると思われた。
【結論】統計学的有意差を認めることはできなかったが高齢者の再発大腸癌患者に対する治療選択ではC群よりもF群の方が忍容性で良好である可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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