演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

オキサリプラチンによる有害事象と腎機能の関連

演題番号 : P-480

[筆頭演者]
奥澤 文敏:1 
[共同演者]
槙原 克也:1、松村 友和:1

1:淀川キリスト教病院・薬剤部

 

【目的】
オキサリプラチン(以下L-OHP)は腎排泄型の薬物であり、CcrとL-OHPのクリアランスは相関することが報告されている。Ccr≧60ml/minを維持している患者と比較して、腎障害のある患者ではAUCの上昇及びクリアランスの低下が認められているが、これまでL-OHPによる末梢神経障害の発現頻度と腎機能に関連性はないとされている。一方、L-OHPの毒性は蓄積性があり、投与を繰り返すごとに毒性の頻度が増す。そこで、L-OHPの安全性について時系列での評価を試みた。

【方法】
2012年1月~2020年3月に術後化学療法としてXELOX療法を行った大腸癌・胃癌患者を対象とし、投与開始から6ヶ月間の総投与量、骨髄抑制、自覚症状等の情報を後方視的に調査した。Ccr≧60ml/minの患者をA群、<60ml/minをB群とし、CTCAE v5.0を用いて評価した。G2以上の末梢神経障害発現までの日数をKaplan-Meier法を用いて比較し、Logrank検定により判定した。また体表面積補正した腎機能(Ccr ml/min/1.73m2)で評価した場合のG2以上の末梢神経障害発現までの日数も同様に検討した。
【結果】
全期間においてA群(43名)においてG2以上の末梢神経障害発現頻度は18%、B群(14名)では31%で発生しておりB群で優位に高い傾向にあった(P=0.02)。しかし体表面積で補正した場合はA群で19%、B群で27%でありB群で高い傾向にあったが有意な差はなかった。(P=0.25)一方、G2以上の末梢神経障害発現までの施行コース数はB群よりA群で早期に出現する傾向が見られたが優位な差がなかった。体表面積で補正した場合も同様の結果であった。G3以上の白血球減少の発生頻度はA群で16%、B群で26%とB群で多い傾向に見られたが有意差はなかった(P=0.32)。G3以上の血小板減少の頻度に関しては差がなかった。(P=0.98)
【考察】
L-OHPの末梢神経障害は発生頻度では体表面積で補正しない場合は腎機能が低下している群が多く発現し治療中止の原因となっている。発生時期はB群でより早いことが示唆された。末梢神経障害に関しては減量・延期等で増悪は抑えることができたが腎不全がある場合毒性が早期に増悪し得ることから、治療完遂に影響を及ぼす可能性が考えられる。
【結論】
Ccr<60ml/minの腎機能が低下している患者においてはG2以上の末梢神経障害が早期から出現することが示唆された。腎機能が低下している場合早期から減量等に取り組むことで腎機能が維持されている群と遜色ない完遂率が維持できると思われる。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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