演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

多発性骨髄腫患者に対する当院での取り組み

演題番号 : P-415

[筆頭演者]
木谷 彰岐:1 
[共同演者]
藤渕 剛次:1、宮脇 城二:1、薬師神 芳洋:2、三浦 裕正:1

1:愛媛大学・整形外科、2:愛媛大学附属病院・腫瘍センター

 

【目的】多発性骨髄腫は,溶骨性変化や脊椎の圧迫骨折などの骨病変を呈する悪性疾患であり,転移性骨腫瘍を疑われ整形外科を初診することも多く,病的骨折予防のため早期診断・早期治療が重要となる.我々は当院で加療を行った骨病変を有する多発性骨髄腫症例について臨床的特徴と整形外科の役割について検討を行った.
【対象および方法】2012年4月から2019年3月までに当院を受診した多発性骨髄腫症例80例中,初診時に骨病変を認めた,40例(男性20例・女性20例,平均年齢62歳)を対象とし,初診時の症状,骨病変の部位,整形外科受診の時期,整形外科の役割について検討を行った.
【結果】整形外科を初診した症例は他院を含め15例(38%)であり,その内訳は脊椎圧迫骨折6例,転移性骨腫瘍疑い5例,大腿骨の病的骨折4例であった.初診時の骨病変部位としては全例に椎体病変を認め,大腿骨15例,上腕骨8例,そのうち単発例は4例であった.多発性骨髄腫の診断後,整形外科受診を受けた症例は7例で,その内新規骨折を契機に受診した症例が4例であった.血液検査では貧血を24例,M蛋白を26例,BJPを12例に認めた.血液内科での治療は36例に対して行われていた.手術は頚椎の除圧固定が2例,大腿骨の病的骨折に対して4例が行われていた.放射線治療は10例,骨修飾薬の投与は30例で行われていた.平均観察期間は42ヶ月で,10例が死亡していた.
【考察】多発性骨髄腫に対する整形外科の役割としては診断のみならず,骨病変に対するマネージメントが重要である.当院では2013年より血液内科医師と連携して骨病変を有する多発性骨髄腫症例に対して診断早期よりコンサルトを受ける体制を整え,定期的な画像診断を行い,外科的治療の介入時期やADLの決定,装具の処方などを行い病的骨折の予防とADLの向上に取り組んでおり,整形外科医が積極的に関与することで新規の病的骨折をある程度予防できることが示唆された.
【結語】多発性骨髄腫の治療の主体は化学療法であるが,骨病変を有する場合,病的骨折を予防する上で,整形外科医の積極的な関与が必要と考えられた.

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:チーム医療

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