演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

ペプチドワクチン療法で長期生存を認めた化学療法未治療去勢抵抗性前立腺癌症例の検討

演題番号 : P-393

[筆頭演者]
南 高文:1 
[共同演者]
藤田 和利:1、野澤 昌弘:1、吉村 一宏:1、木村 高弘:2、頴川 晋:2、藤元 博行:3、山田 亮:4、伊東 恭悟:5、植村 天受:1

1:近畿大学・泌尿器科、2:東京慈恵会医科大学・泌尿器科、3:国立がん研究センター・泌尿器・後腹膜腫瘍科、4:久留米大学・先端癌治療研究センター、5:久留米大学がんワクチンセンター

 

背景
以前我々は去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)症例に対する個別化ペプチドワクチン療法のrandomized phase II study (Yoshimura et al. Eur Urol,70,2016)を報告した。Studyでは72症例がワクチン+低用量デキサメサゾン群 (vaccine群)と低用量デキサメサゾン単独群 (Dx 群)の2群に分けられ、Median time to PSA failureとMedian overall survivalはvaccine群で有意に延長を認めた。驚くべきことにstudyを開始し11年を経過した現在もいまだに13例 (17.9%)が生存している。今回我々は、randomized phase II studyの長期生存者の検討を行った。

方法
HLA-A02 またはA24 または A3 super family陽性でPSA<10ng/mlのCRPC症例を対象とした。最大4種類のペプチド選択し3mg皮下注射を2週ごと投与し6サイクル継続し、再度ペプチド候補を選択しさらに継続した。デキサメサゾンはペプチド投与開始日より1mg/day内服を開始した。Toxicity, immunological ,clinical responseは3週ごとに評価した。Primary endpointはPSA値を含むprogression-free survivalとし、secondary endpointはoverall survivalと安全性とした。long-term survivorのmedian follow-up期間は49.0 months (13.7 to 129.8 months)であった。

結果
72例の化学療法未治療CRPC症例が対象となった。Major adverse eventは注射部位反応以外認めなかった。Median time to PSA failureはvaccine群が22.0 months (95%CI 9.2-35.1)でDx 群の7.0 months (95%CI 5.2-8.8)と比較し有意に延長を認め(p<0.001)、Median overall survivalでもvaccine群が107.9 months (95%CI 85.1-130.7)でDx 群の44.4 months (95%CI 26.0-62.8) と比較し有意に延長を認めた(p<0.001)。12週目での>50%PSA低下率はvaccine群で59.6%、Dx 群で54.3%と有意差を認めなかったが、12週目でのPSA低下率中央値はlong-term survivorが67% (29-99)で死亡例の6% (-807-85)と比較し有意に低下を認めた(p<0.005)。

結語
12週目でのPSAの大きな低下率はlong-term survivalの予測因子となる可能性がある。これらの結果は、個別化ペプチドワクチン療法が早期CRPC症例に対し有用な治療となり得ることを示唆する。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:腫瘍免疫

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