演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

新規フラボノイド誘導体によるカバジタキセル耐性前立腺癌細胞に対する抗腫瘍効果

演題番号 : P-392

[筆頭演者]
内藤 伶奈人:1 
[共同演者]
加納 洋:1、島田 貴史:1、中野 泰斗:1、門本 卓:1、牧野 友幸:1、岩本 大旭:1、八重樫 洋:1、泉 浩二:1、角野 佳史:1、仲田 浩規:3、後藤 享子:2、溝上 敦:1

1:金沢大学・泌尿器集学的治療学、2:金沢大学・分子生薬学、3:金沢大学・組織細胞学

 

前立腺癌は男性で最多の癌であり、癌による死因の第2位を占めている。進行前立腺癌に対して、アンドロゲン除去療法が標準療法とされているが、多くの患者では数年のうちに去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)へと進展する。近年では、CRPCに対しては新規ホルモン剤が使用されるようになったが、最終的にはドセタキセルを中心とした抗癌化学療法がおこなわれることになる。前立腺癌の進行とともにドセタキセル耐性となった患者に対してはカバジタキセルによる抗癌化学療法がおこなわれるが、現在のところカバジタキセル耐性となった場合に次の治療選択肢として明確なものがない。一方で海外では、転移性前立腺癌に対する初期治療のホルモン療法にドセタキセルを併用するホルモン化学療法の有効性が証明された。ホルモン感受性前立腺癌細胞と非感受性前立腺癌細胞を同時に攻撃する治療が前立腺癌の治療としては非常に有効と考えられる。
フラボノイドは、植物由来の食品や飲料に含まれるポリフェノール化合物の一種であり、フラボノール、フラボン、フラバノン、フラバン-3-オール、アントシアニジン、イソフラボンの6つのサブクラスに細分される。フラボノイドは、抗酸化作用、抗炎症作用をもつことが知られているが、その他にも前立腺癌を含めた種々の悪性腫瘍に対する抗腫瘍効果を持つことも報告されている。我々は以前にフラボノイドの一種である2'-Hydroxyflavanon (2'-HF)がアンドロゲン感受性前立腺癌細胞に対するAR活性阻害と、アンドロゲン非感受性前立腺癌細胞に対する抗腫瘍効果を報告した。今回、我々は2'-HFの誘導体である16MS7F1924を作成し、この誘導体の前立腺癌細胞に対する作用を確認した。
16MS7F1924はDHTによるLNCaPの増殖促進や、PC-3、DU145の増殖を濃度依存的に抑制し、Flow cytometryとTUNEL assayにてG2/M arrestを引き起こし、アポトーシスを誘導することが示唆された。また、ドセタキセル耐性細胞株、カバジタキセル耐性細胞株に対しても抗腫瘍効果を示した。以上の結果から、16MS7F1924はホルモン感受性前立腺癌細胞から非感受性細胞、タキサン系抗癌剤耐性細胞に対しても有効な薬剤である可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:基礎腫瘍学

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