演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

前立腺がん術後の尿失禁が仕事,QOL,精神面に与える影響

演題番号 : P-390

[筆頭演者]
雪田 絵梨香:1 
[共同演者]
中山 紀子:1、中野 太勢:1、佐藤 義文:2、青山 誠:1

1:手稲渓仁会病院・リハビリテーション部、2:札幌渓仁会リハビリテーション病院・リハビリテーション部

 

【はじめに】前立腺がんに対する前立腺全摘出術の合併症として尿失禁が知られている. 前立腺がんの罹患率は50歳代から上昇するため,働き世代の仕事や社会生活への影響が予想できるが,その報告は少ない.本研究は前立腺がん術後の尿失禁が仕事や社会生活を含めたQOL,抑うつ/不安に及ぼす影響を調査した.【方法】対象は前立腺がんに対してロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘出術(以下RALP)を目的に入院した患者44名.評価項目は①尿失禁の頻度/量/生活への影響をInternational Consultation on Incontinence Questionnaire-Short Form(ICIQ-SF),②QOL評価をKing's Health Questionnaire(KHQ),③抑うつ/不安の評価を日本語版気分・不安調査票(K6)を使用.①~③の評価を術前,退院前,術後1か月にアンケート調査を実施した.検討事項は1.術後1か月のICIQ-SF(Q1尿失禁頻度, Q2尿失禁量, Q3生活への影響, 総合点)とKHQ9領域、K6総合点(以下K6)との全相関と,2.ICIQ-SF(Q1, Q2, Q3, 総合点)とKHQ9領域、K6の経時的変化とした.統計処理はSPSSを用い,Spearmanの順位相関係数とFriedman検定を実施し,有意水準は5%とした.本研究は手稲渓仁会病院の倫理委員会より承認を得ている.【結果】アンケート回収率は55%.24名.尿失禁タイプは術前で排尿後滴下・無し群が多数だが、退院前は腹圧性・切迫性・排尿後滴下が混在し,術後1か月では無し群4名・腹圧性群16名,排尿後滴下群4名であった.術後1か月の尿失禁頻度と相関のあった項目は,KHQ:生活への影響(r=0.74*),仕事・家事への制限(r=0.60*),身体的活動の制限(r=0.57*),社会的活動への制限(r=0.56*),心の問題(r=0.53*),自覚的重症度(r=0.57*)とK6(r=0.47*)であった.尿失禁量との相関はKHQ:仕事・家事への制限(r=0.43*),身体的活動の制限(r=0.49*),心の問題(r=0.44*)であった.ICIQ-SF総合点との相関はKHQ:生活への影響(r=0.67*),仕事・家事への制限(r=0.63*),身体的活動の制限(r=0.71*),社会的活動への制限(r=0.69*),心の問題(r=0.72*),自覚的重症度(r=0.61*),K6(r=0.45*)であった.ICIQ-SFにおけるQ1~Q3は術前と退院前,術前と術後1か月で有意(P<0.05)に経時的変化を認め,尿失禁頻度 /尿失禁量/ICIQ-SF総合点全てが悪化,退院前と術後1か月では変化を認めなかった(*:P<0.05).【考察】前立腺がん術後尿失禁は日常生活のみならず社会生活抑うつ/不安にも影響を及ぼしQOLを低下させる可能性が考えられた.

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:リハビリテーション

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