演題抄録

ポスター

開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

学童期に発症した未熟奇形腫に対するBEP療法の治療経験

演題番号 : P-268

[筆頭演者]
中島 健吾:1 
[共同演者]
平林 啓:1、中島 博予:1、平田 博子:1、澁谷 文恵:1、中川 達史:1、山縣 芳明:1、沼 文隆:1

1:徳山中央病院・産婦人科

 

症例は9才、女児。腹部膨満を主訴に近医を受診し、経腹超音波検査で巨大骨盤内腫瘤を指摘され、当科に紹介となった。受診時、腹部は著明に膨満しており、心窩部まで達する弾性硬の腫瘤を触知した。経腹超音波検査では腹腔内を占拠する、多房性の囊胞性卵巣腫瘍を認めた。腫瘍マーカーはAFP 2602 ng/ml、CA125 560 U/ml、CEA 11.5 U/ml、CA19-9 1470 U/ml、SCC 4.8 ng/ml、LDH 353 U/lといずれも上昇を認めた。腹部~骨盤部造影MRI検査では、腹腔内に約30 cm大の充実性成分を伴った分葉状囊胞性腫瘍を認めた。頚部~骨盤部造影CT検査では遠隔転移を認めなかった。画像・血液検査から未熟奇形腫を疑い、試験開腹術を施行した。腫瘍は左卵巣由来で、大網との癒着を認めた。大網との癒着は高度で、左付属器摘出術と大網部分切除術を一括して行った。迅速病理検査では未熟奇形腫の診断であった。妊孕性温存の方針であったため、追加手術は行わなかった。術後病理結果は未熟奇形腫Grade 2で大網に播種を認め、腹水細胞診は陰性であり、StageⅢA2(pT3a,Nx,M0)の診断となった。術後BEP療法(ブレオマイシン15 mg/m2、エトポシド 100 mg/m2、シスプラチン 20 mg/m2)療法の方針とし、術後1ヶ月目から3 週ごとに、全3コースを入院で施行した。小児に対する化学療法は、抗癌剤の適した量の設定だけでなく、支持療法を行う上で小児適応のない薬剤の変更など特別な配慮を要する。今回我々は、まず持続的な点滴と頻回の採血に対応するために、末梢挿入中心静脈カテーテル(PICC)を留置した。抗癌剤に関しては、エトポシドとシスプラチンは成人と同様量を設定したが、ブレオマイシンは成人量30mg/m2から15mg/m2に減量し、さらに初回投与のみとした。シスプラチン投与に対する水分負荷は、心臓への負荷を考慮し、120ml/hの水分を24時間計7日間継続することとした。年齢的に夜間の排尿の対応が困難であると考え、尿道バルンカテーテルを留置した。有害事象としては、好中球減少(G4)、貧血(G2)、血小板減少(G2)、低Mg血症(G2)、嘔吐(G2)、脱毛(G2)、Cre上昇(G1)を認めたが、計3コース完遂となった。現在再発なく、無病生存中である。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:化学療法

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