演題抄録

ポスター

開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

Bevacizumab投与中に腟壁が穿孔し腸管脱出を来した子宮頸癌の1例

演題番号 : P-248

[筆頭演者]
金 明:1 
[共同演者]
篠田 諭:1、森部 真由:1、森 将:1、稲村 達生:1、柴田 崇宏:1、上野 琢史:1、山田 拓馬:1、竹田 健彦:1、宇野 枢:1、鈴木 徹平:1、原田 統子:1、岸上 靖幸:1、小口 秀紀:1、金森 紗乃代:1

1:トヨタ記念病院

 

【緒言】Bevacizumab(Bev)はvascular endothelial growth factorに対するヒト化モノクローナル抗体で、有害事象として、消化管瘻(腸管皮膚瘻、腸管瘻等)や消化管以外の瘻孔(気管支胸膜瘻、泌尿生殖器瘻、胆管瘻等)がある。瘻孔の発生率は0.3%とされているが、瘻孔の合併により死亡に至った症例も報告されており、注意が必要である。今回我々はBev投与中に子宮摘出時の腟断端から離れた腟壁に瘻孔を形成した症例を経験したので報告する。
【症例】症例は74歳、1妊0産。73歳時に膀胱、両側尿管浸潤、傍大動脈リンパ節転移を伴う子宮頸部扁平上皮癌IVB期の診断で、両側に腎瘻を造設後にPTX、CBDCA併用化学療法(TC療法)を3コース、その後Bev併用TC療法(TCB療法)を3コース施行した。化学療法後のMRIで腫瘍の縮小を認め、Partial Responseと判断したが、膀胱、両側尿管浸潤は残存し、膀胱腟瘻を認め、子宮、膀胱全摘出術、回腸導管造設術、傍大動脈リンパ節郭清を施行した。病理組織診断では腟、膀胱粘膜に浸潤する角化型扁平上皮癌を認め、左卵巣、傍大動脈リンパ節に転移を認めた。術後2ヵ月で骨盤、傍大動脈領域に5-FU、NDPを併用した同時化学放射線療法を施行した。放射線治療後2ヵ月で骨盤内に複数の播種病変が出現し、再発の診断でTCB療法を6コース施行した。Stable Disease(SD)であったため、Bev単剤による維持療法を継続した。Bev維持療法3コースを施行後に自宅トイレで腟の違和感、液体流出を自覚し当科外来を受診した。腟外に鶏卵大の小腸の脱出を認めた。腟入口部9-12時方向、尿道口右から背側に向けて3 cmほどの瘻孔が存在し、子宮全摘出時の腟断端縫合創とは離れた位置であった。小腸に壊死所見はなく、用手的に還納し瘻孔を経腟的に縫合閉鎖した。術後経過は良好で術後8日目に退院となった。腟壁縫合術3ヵ月後に回腸-回腸導管瘻が出現し、敗血症性ショックを発症し死亡退院となった。腟壁縫合後、化学療法は施行しなかったが、死亡前のCTではSDであった。
【結語】放射線治療歴のある症例でのBev治療では想定外の瘻孔形成の可能性を念頭に置く必要がある。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:分子標的治療

前へ戻る