演題抄録

ポスター

開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

当院におけるMPA療法後の妊娠成績に関する検討

演題番号 : P-247

[筆頭演者]
吉村 拓馬:1 
[共同演者]
山上 亘:1、大石 真希:1、平野 卓朗:1、坂井 健良:1、真壁 健:1、千代田 達幸:1、宮越 敬:2、阪埜 浩司:1、進 伸幸:3、田中 守:1、青木 大輔:1

1:慶應義塾大学・産婦人科、2:聖母病院・産婦人科、3:国際医療福祉大学・産婦人科

 

【背景】子宮体癌,子宮内膜異型増殖症(以下,異型増殖症)に対する妊孕性温存治療として,酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)を用いた高用量黄体ホルモン療法がある。病変消失率はそれぞれ96.4%,98.5%と良好であるが,高い再発率や,不妊が背景にある場合が少なくないことが特徴である。子宮体がんガイドライン2018年版では,再発例に対しても厳重管理下に再度のMPA療法が許容されているが,エビデンスの蓄積は十分でない。今回我々は,当院におけるMPA療法後の妊娠成績について検討した。
【方法】当院において1998年から2016年の間に,子宮体癌(類内膜癌G1,子宮内膜に限局し筋層浸潤を認めないもの),異型増殖症に対してMPA療法を施行した279例を対象とした。原則として42歳以下,BMI<35,非喫煙者,肝機能障害なし,凝固能異常なし,血栓症既往なしを条件とした。診療録から年齢,BMI,組織型,MPA療法施行回数,D&C(子宮内膜全面掻爬術)施行回数,妊娠成績などを調査し,後方視的に検討した。
【結果】MPA療法を施行した279例のうち180例(64.5%)が既婚であった。既婚者のうち99例(55.0%),のべ142回で妊娠が成立し,85例(47.2%),のべ103回で生児獲得を認めた。3例は双胎妊娠であった。生児獲得に至った85例では,初診時年齢の中央値は33歳(19-41歳),BMIの中央値は21(16-36)で,組織型は類内膜癌G1が46例(54.1%),異型増殖症が39例(45.9%)であった。MPA療法,D&C施行回数の中央値はそれぞれ1回(1-5回),3回(2-13回),MPA療法の,のべ投与期間の中央値は6ヶ月間(4-35ヶ月間)であった。妊娠形式は自然妊娠が39例(45.9%),体外受精-胚移植が37例(43.5%),人工授精が5例(5.9%)を占め,MPA療法終了から妊娠成立までの期間の中央値は14ヶ月間(1-123ヶ月間)であった。早産分娩が5例(単胎妊娠の8.6%)あり,周産期合併症としては癒着胎盤が7例(全分娩の6.8%)で最多であった。
【結論】当院におけるMPA療法では,既婚例の約半数で生児を得られた。最大5回のMPA療法後に妊娠,分娩に至った症例もあり,再発を繰り返す症例でも注意深い管理の下で妊孕性を温存し得る可能性があることが示唆された。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:内分泌・ホルモン療法

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