演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

分娩後早期に急速に進行した子宮平滑筋肉腫の一例

演題番号 : P-239

[筆頭演者]
藤麻 眞理子:1 
[共同演者]
坂井 健良:1、和田 美智子:1、竹内 啓:1、平田 桃:1、白根 照見:1、松田 亜季:1、世良 亜紗子:1、岩佐 尚美:1、境 委美:1、福武 麻里絵:1、樋野 牧子:1、服部 純尚:1、倉橋 崇:1、中川 博之:1

1:埼玉病院・産婦人科

 

【緒言】子宮平滑筋肉腫は超音波やMRI検査などでの術前診断が困難でありながら, 悪性度が高く予後不良な疾患である. 今回我々は分娩後早期に急速に進行した子宮平滑筋肉腫の症例を経験したため報告する.
【症例】33歳, 1妊1産. 妊娠前より子宮頸部に9cm大の腫瘤をみとめ,子宮筋腫と診断されていた. 当院にて妊娠管理および経腟分娩に至ったが妊娠中に子宮頸部腫瘍の明らかな増大は認めなかった. 分娩後入院中にHDPおよび子癇発作を認め, 発作時の血液検査では軽度LDH上昇を認めたものの, HDP及び子癇発作に伴うものと考えて経過観察とした. 退院後も性器出血が持続していたが, 産褥健診では悪露として生理的範囲内と考えられ半年後の再診予定となった. その後も不正性器出血は持続し, 複数回外来を予約外受診されたものの出血は少量で貧血も軽度であり経過観察とした. 分娩後5ヶ月目に37度台の発熱, 下腹部痛のため再度外来受診された. 経腟超音波検査上子宮頸部の腫瘤は約15cm大に増大しており, 血液検査では, WBC 13120/μl ,Hb 10.5g/dl, LDH 411U/l, CRP 10.45mg/dlとLDHと炎症反応の上昇を認め,抗生剤治療および精査のため入院管理とした. 子宮頸部細胞診はNILM, 子宮内膜細胞診は陰性であったが,骨盤部造影MRI検査では子宮頸部に15㎝大の内部に出血性壊死, 壊死嚢胞変性を伴う腫瘤を認め, 造影CT検査では両側肺野に多発転移を疑う所見を認めたことから子宮肉腫疑いとして緊急手術の方針となった. 子宮は成人頭大に腫大, 小腸間膜に5cm大の腫瘤を認め,腹式単純子宮全摘出術, 両側付属器摘出術, 小腸部分切除術, 小腸吻合術を施行した. 術後病理診断は子宮平滑筋肉腫, 小腸間膜転移であり,子宮平滑筋肉腫ⅣB期としてドキソルビシン塩酸塩による化学療法を施行中である.
【考察】子宮平滑筋肉腫は50歳前後が好発年齢とされ,分娩後早期の報告は稀である.本症例では,LDHの軽度上昇が認められたものの産褥HDPの経過でも矛盾しないと考えられたこと, 性器出血があったが産褥悪露としても矛盾しないと考えられたことから,早期の診断が困難であった. 若年の場合でも,子宮筋腫合併妊娠の分娩後に持続する不正性器出血やLDHの上昇がみられる場合には, 子宮平滑筋肉腫を鑑別に挙げ慎重な経過観察を行う必要があると考えられた.

キーワード

臓器別:子宮

手法別:診断

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