演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

子宮頸癌同時化学放射線療法後16年で子宮体部癌肉腫を発症した一例

演題番号 : P-238

[筆頭演者]
松本 剛史:1 
[共同演者]
近藤 英司:2、田中 浩彦:3、水谷 香:4、仙波 玲美:5、白石 泰三:5、平田 徹:3

1:桑名市総合医療センター・産婦人科、2:三重大学附属病院・産科婦人科、3:三重県立総合医療センター・産婦人科、4:桑名市総合医療センター・放射線科、5:桑名市総合医療センター・病理診断科

 

【緒言】子宮頸癌は若年女性にとって頻度の高い癌の1つである。近年、スクリーニングや放射線治療、化学療法の発展に伴い、長期生存例が増加し、稀な晩期合併症である二次性癌の報告が散見される。そのうち子宮体癌の報告はさらに稀であるが、その組織型は特殊型が多く、予後不良である。一方で、子宮頸癌放射線治療後の規定のフォローアップ期間は定まっていない。
今回我々は子宮頸癌同時化学放射線療法(concurrent chemoradiotherapy: CCRT)後16年目に発生した子宮体部癌肉腫の一例を経験したので報告する。
【症例】症例は65歳、1経産婦。49歳時に子宮頸癌IIB期扁平上皮癌と診断され、CCRT(CDDP40mg/㎡×毎週投与6コース、全骨盤照射50.4Gy/25fr、腔内照射24Gy/4fr、骨盤内リンパ節への追加照射9Gy)が行われ、完全寛解に至った。その後、再発なく12年経過しフォローアップを自己中断した。
63歳時に盲腸癌を発症し、腹腔鏡補助下回盲部切除+D3郭清術が行われた。盲腸癌術後24ヶ月の定期CT検査で子宮留血症と子宮体部筋層から発生する不整形腫瘤を認め、当科紹介となった。MRI検査では浅い筋層浸潤を伴う子宮体部悪性腫瘍が疑われ、CT検査ではリンパ節腫大や遠隔転移は認めなかった。子宮内膜全面掻把術を行い、子宮体癌ⅠA期類内膜癌Grade2の推定で、腹式単純子宮全摘及び両側付属器切除術を施行した。術後病理組織診断は癌肉腫(leiomyosarcoma + Endometrioid carcinoma)pT1aNXM0であり、追加の後腹膜リンパ節郭清を勧めたが、拒否されたため、術後補助化学療法としてtriweekly Paclitaxel+Carboplatin併用療法(TC療法)を施行中である。
【考察】子宮頸癌に対するCCRT後の二次性子宮体癌の発症までは3~30年と非常に長期間経過して発症した報告もあり、本症例でも16年が経過していた。二次性子宮体癌は放射線治療後20年での累積罹患率が1.2%と稀である。その組織型は漿液性癌、淡明細胞癌、癌肉腫、肉腫が6割を占め、治療では縮小手術がなされる傾向があるとされ、5年生存率は30%程度で予後不良である。
【結語】子宮頸癌に対する放射線治療後は晩期合併症としての放射線誘発性の子宮体癌の可能性も念頭に置き、長期間フォローアップする必要があると考えられた。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:診断

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