演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

免疫チェックポイント阻害薬投与における血液検査の頻度と安全性に関する後方視的検討

演題番号 : P-215

[筆頭演者]
川合 祥子:1 
[共同演者]
渡邊 景明:1、橋本 佳奈:1、北台 留衣:1、浅井 麻依子:1、福田 滉仁:1、弥勒寺 紀栄:1、箱崎 泰貴:1、成田 宏介:1、四方田 真紀子:1、細見 幸生:1

1:がん・感染症センター都立駒込病院・呼吸器内科

 

【背景】
抗がん剤投与を行う際には、臨床所見とともに各種検査を行い、投与の可否を判断することが必要である。殺細胞性抗がん剤の投与時には、コース開始毎に血液検査の検査を必須としてきた場合がほとんどである。免疫チェックポイント阻害剤は、殺細胞性抗がん剤と比較して血液毒性の頻度が低く、有害事象の発現時期も不規則とされているが、治療期間中の血液検査の至適な間隔については、明確なコンセンサスが得られていないのが現状である。
【方法】
2015年12月から2020年2月までの間に当院で、1コースを2週間として、免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブもしくはデュルバルマブ)の投与を行った肺がん患者201名を対象として、後方視的検討を行った。
【結果】
対象患者のうち、16名(8.0%)において、治療期間中に2週間以上の間隔を空けて血液検査が行われていた。上記16名の年齢中央値は70.5歳、13名が男性、12名がニボルマブ投与例であった。16例全例において、血液検査の間隔延長は免疫チェックポイント阻害剤投与4回目以降に行われており中央値は5回目であった。採血省略出来ていた期間の中央値は91日であり、15例で有害事象出現を認めていたがGrade3以上は2例のみであった。何らかの変化を認めた場合に採血省略が中止となっているため、採血省略を中止した理由、その際の症状の有無、採血省略中止の契機となった事象が出現した際の採血所見、入院理由などを後方視的に検索した。採血省略を終了した理由は投与完遂やPDによる薬剤中止が8例で最も多く、継続中が3例、臨床試験参加が1例、有害事象中止は4例であった。有害事象中止の内訳は間質性肺炎が2例、1例が脱水によるGrade1のCre上昇、1例が感染症であった。4例とも症状の出現やレントゲン撮影で発見されており採血省略による影響はないと考えられた。また間質性肺炎以外の2例は軽症であり、重篤な有害事象への対処の遅延は認めなかった。
【結論】
免疫チェックポイント阻害剤の投与を行う肺がん患者における有害事象の検出方法として、臨床所見に十分注意していれば一定の頻度を保ちながら血液検査の間隔を延長することは、臨床的に妥当な手段と考えられる。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:免疫療法

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