演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

S状結腸癌卵巣転移、腹膜播種に対して繰り返す手術後に長期生存が得られている1例

演題番号 : P-136

[筆頭演者]
伊藤 雄貴:1 
[共同演者]
梶川 真樹:1、初川 嘉経:1、窪田 拓己:1、東松 由羽子:1、高見 一徳:1、赤座 賢:1、岩田 尚弘:1、浅田 崇洋:1、奥村 徳夫:1、渡邉 卓哉:1

1:岐阜県立多治見病院

 

【症例】46歳女性。呼吸苦を主訴に来院した。来院時のCTで両側胸水貯留に加え、腹水貯留と、骨盤内に10 cm程の右卵巣腫瘍を認めた。大腸内視鏡検査ではS状結腸に2型腫瘍を認め、生検の結果adenocarcinomaの診断であった。以上よりS状結腸癌、右卵巣転移疑いの診断で、高位前方切除術、子宮全摘術、両側付属器摘出術を施行した。病理組織所見で、右卵巣腫瘍は大腸癌の転移と診断された。また切除標本に腹膜播種を認めた。病理診断はtub2, pT3, ly2, v2, pN1b(3/3), M1c2, StageIVc (大腸癌取り扱い規約第9版)、K-ras wildであった。術後1ケ月のCTで胸腹水の改善を認めた。術後XELOX+Bevacizumabを10コース施行、Oxaliplatinによる神経障害で11コース目からCapecitabine+Bevacizumabに変更し、43コース目まで施行した。初回手術より2年9ヶ月が経過した所で、再発所見なく、化学療法を終了した。初回手術より4年11ヶ月が経過した所で、右鼠径部に結節の出現を認めたため、右鼠径部の結節を切除した所、病理結果は大腸癌の転移であった。術後半年間Capecitabine+Bevacizumabを施行したが、初回手術より6年が経過した所で、再度右鼠径部に結節の出現を認めたため切除した所、前回同様、病理結果は大腸癌の転移であった。術後Capecitabine単剤投与を現在も施行中である。初回手術より7年10ヶ月が経過するが、無再発である。
【考察】当院で2009年1月から2013年12月の5年間に大腸癌で原発巣切除を施行した565例中、腹膜播種を認めたStage IVcの症例は計20例あった。その内、5年以上の長期生存が得られたのは4例あったが、いずれも原発巣近傍の腹膜播種で、手術時に切除することができた。大腸癌の腹膜播種は予後が不良であるが、切除可能病変であれば手術での切除を行い、更に化学療法を組み合わせることで長期生存が期待できる可能性があると考えられた。
【結語】S状結腸癌卵巣転移、腹膜播種に対して繰り返す手術後に長期生存が得られている1例を経験した。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:集学的治療

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