演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

胃癌術前化学療法(SOX療法)におけるRDI(Relative Dose Intensity)の検討

演題番号 : P-121

[筆頭演者]
芹澤 朗子:1 
[共同演者]
谷口 清章:1、小竹 将:1、伊藤 俊一:1、鈴木 和臣:1、倉持 英和:3、太田 正穂:2、片桐 聡:2、板橋 道朗:1、山本 雅一:1

1:東京女子医科大学病院・消化器外科、2:東京女子医科大学八千代医療センター・消化器外科、3:東京女子医科大学八千代医療センター・化学療法科

 

【はじめに】高度進行胃癌の標準治療は手術および術後後療法とされているが、いまだ十分な治療成績は得られていない。近年、術前化学療法(NAC)の有用性が報告され注目されている。今回高度進行胃癌に対しS-1/L-OHP併用術前化学療法の有効性を評価することを目的とした多施設共同研究を行った。L-OHPはシスプラチンに代わり有害事象が少なく同等の治療効果が得られることより多く用いられているが、術前治療についての報告は少ない。RDI(Relative Dose Intensity)を算出し、当治療法での安全性や継続性についての検討を行った。
【方法】cT4a又はcN2以上の進行胃癌を対象とした。全例で治療前に審査腹腔鏡を施行し、腹膜転移を除外した。3週(21日)を1コースとして、L-OHPをday1に130mg/ m2、TS-1はday1-14に80 mg /m2投与し、2コース終了後2-6週間以内に手術を施行した。術後補助化学療法は原則施行した。主要評価項目はR0切除率、副次評価項目は無再発生存期間、生存期間、手術施行率、有害事象発生割合、術前化学療法継続率、術後合併症発生割合、病理学的奏効割合、RDIとした。【結果】2016年10月から2018年3月までに30例が登録された。男女:23/7人、年齢中央値71歳(48-80)、全例PS0-1であった。RDI(平均値)はS-1 91.2%、L-OHP 94.2%であった。RDIの低下の要因となったGrade3以上の有害事象は血液毒性:貧血3.3%(1例)のみで、非血液毒性:食欲不振6.7%(2例)、疲労6.7%(2例)、嘔気3.3%(1例)が認められた。全例で術前化学療法終了後、6週間以内に根治手術が施行可能であった。手術時間280分(中央値)、術中出血量394ml(中央値)、術式は幽門側胃切除術18例、胃全摘術12例であった。R0切除率は28例(93.3%)であった。他2例はR1切除であり、1例は腹腔洗浄細胞診陽性、1例は口側断陽性であった。Clavien-Dindo3以上の術後合併症は7例で認められ(重複例含)腸閉塞3例、膵液漏2例、肺炎2例、縫合不全2例であった。原発巣への病理組織学的効果はGrade1b以上(pRR)が63%(19例)であった。S-1/L-OHPのいずれかのRDIが80%未満となった症例は5例あり、これらの症例のpRRは100%であった。【結語】高度進行胃癌に対する術前化学療法としてのS-1/L-OHP併用療法はRDIも高く安全で高い継続率が確認された。80%未満のRDI症例であっても、奏効割合は高く適切な減量や休薬は効果に影響しない可能性が考えられた。今後の長期成績も併せ検討したい。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:臨床試験

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