演題抄録

ポスター

開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

Trastuzumab+Anastrozole投与中に間質性肺炎を来たした高齢者炎症性乳癌の1例

演題番号 : P-62

[筆頭演者]
岩田 力:1 
[共同演者]
山口 竜三:1、古田 美保:1、渡邊 真哉:1、會津 惠司:1、小林 真一郎:1、佐藤 文哉:1、藤枝 裕倫:1、豊田 良鎬:1、影山 優美子:1、森山 瑞紀:1、山本 美里:1、李 昌史:1、山本 亮:1

1:春日井市民病院・外科

 

症例は83歳の女性で、左乳房の硬結を主訴に当院へ受診された。視触診で左乳頭は陥凹し、乳房全体の発赤と硬化を認めた。胸部CTでは左AC領域を主座に乳腺全体の占居病変を、乳房超音波検査で顕著な皮膚肥厚と浮腫、腋窩リンパ節腫大を認めた。針生検の結果、Invasive ductal carcinoma、ER陽性、PgR陰性、HER2 3+で炎症性乳癌(T4dN1M0 cStageⅢB)と診断した。認知症の既往や高齢者夫婦のみで生活しているなどの社会背景を考慮してTrastuzumab(Tri-weekly)+ Anastrozoleで治療を開始した。乳房の硬結および発赤所見は徐々に改善を認めていったが、5コース目投与2日目に呼吸苦を主訴に救急外来を受診した。SpO2は88%、胸部CTは両肺野のすりガラス陰影を認め、KL-6は2613 U / mLと高値であった。以上の所見から間質性肺炎と診断し、ステロイドパルス(メチルプレドニゾロン1g/day×3日)療法を開始した。ステロイド投与後に呼吸困難は速やかに改善し、入院治療後20日目に合併症なく退院となった。退院後1か月間はステロイド投与量を漸減しながら継続し、胸部CTですりガラス陰影の改善を確認したところで終了とした。しかし、その約1週間後に間質性肺炎で再び入院となり、ステロイドパルス療法を行った。自覚症状は速やかに改善していったものの、Performance Statusの低下を認め、2回目入院後56日目に施設へ転院となった。間質性肺炎の原因として感染、薬剤性、アレルギー、膠原病、特発性などが挙げられるが、臨床経過からはTrastuzumabが最も考えられた。化学療法に伴う副作用としてTrastuzumabに関連した間質性肺炎は非常にまれではあるが、呼吸苦症状が出現した際には心毒性と同様に肺合併症も念頭に置くことが必要である。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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