演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

HER2陰性転移性乳癌に対するエリブリン使用におけるALCの予後予測因子としての役割

演題番号 : P-60

[筆頭演者]
本吉 愛:1 
[共同演者]
田雜 瑞穂:1、中野 万理:1、黒田 貴子:1、敦賀 智子:1、志茂 彩華:1、志茂 新:1、白 英:1、小島 康幸:1、川本 久紀:1、津川 浩一郎:1

1:聖マリアンナ医科大学病院・乳腺内分泌外科

 

【背景】局所進行転移性乳癌を対象にエリブリンと主治医選択薬の有効性を比較した臨床第Ⅲ試験であるEMBRACE試験のPost-Hoc解析にて、ベースライン時のリンパ球絶対数(ALC)がエリブリンを使用した局所進行転移性乳癌においてOS延長の予測因子であることが示唆された。しかし、EMBRACE試験は日本人のエントリーはなく、日本人においても同様の結果が得られるかの検討が必要と思われた。本研究では、当科でエリブリンを投与されたHER2陰性転移性乳癌症例におけるALCとPFS、OSの相関について後方視的に検討する。
【方法】2011年7月から2019年12月までにエリブリンを使用したHER2陰性局所進行転移性乳癌99例中エリブリンの初回投与時のALCが確認でき、追跡可能であった70例を対象とした。ALCのカットオフ値は1000/μlに設定し、PFS、OSを1000/μl未満を低値群、1000/μl以上を高値群として比較した。
【結果】対象となった70例は全例女性で平均年齢は53.0歳であった。ALC低値群は39例、高値群は31例で、両群間で平均年齢、閉経状態、ER status、転移臓器数、前化学療法数に有意差は認めなかった。PFSは低値群で中央値3.3ヶ月、高値群で中央値5.0ヶ月と両群間に有意差を認めなかった。OSは低値群で中央値9.5ヶ月、高値群で中央値14.3ヶ月と有意差をもって高値群でOSの延長を認めた(p値0.0238)。
【考察】末梢血を用いたエリブリンの予後予測因子として、好中球リンパ球比(NLR)とPFSの相関が数多く報告されているが、NLRは前治療の影響を受けやすいことが問題視されている。本検討では、エリブリンを使用した転移性乳癌患者においてベースラインでのALC高値群では低値群と比較しOSの延長が認められた。この結果よりALCがエリブリンの予後予測因子となり得る可能性が示唆された。さらに症例を蓄積し検討を行っていきたい。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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