演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

3rd lineの抗HER2薬とvinorelbine併用療法が奏功している腎障害高齢者進行乳癌の1例

演題番号 : P-59

[筆頭演者]
徳川 奉樹:1 
[共同演者]
米田 勝晃:1、北村 正美:1、生川 賀代:1

1:高井病院

 

はじめに:腎障害高齢者での抗がん剤投与は減量基準なども決まっているものがなく投与は慎重にならざるをえない。そのため初回受診時進行転移乳癌の高齢者では薬剤選択は困難である。またがん治療の負担が認知機能や身体機能を落とすリスクもあり慎重な判断が必要である。一方で患者からの生きたい思いに対してどのような治療ができるかが課題となっている。今回3rd lineとして投与したTrastuzumab(以下T)Pertuzumab(以下P)vinorelbine(以下V)併用療法が安全に投与でき長期奏功している症例を経験したので報告する。
症例は78歳女性。他院初診で右乳癌の診断された後に当院へ紹介受診となった。当院初診時右乳房を中心に左乳房および上腹部一面の広範囲に広がる皮膚浸潤を認める右進行乳癌であり右主病巣には潰瘍形成も認め持続した出血がみられた。右肺全体に胸水貯留があり在宅酸素療法が必要であった。進行度IV期での初診であ軽度の認知症もあったため治療選択は困難であったが、患者本人からもう少し生きたいとの治療希望があり家人からも治療を強く希望されたため抗HER2療法+化学療法開始となった。1st line T-DM1 2nd line T+P+ Gemcitabine(以下G)3rd line T+P+Vでの治療を行った。腎機能障害でのT-DM1/G/Vの減量基準は明記されておらず症例報告などの文献から80%投与での開始となった。また認知機能がやや落ちている当症例では治療の意思決定、通院治療、副作用薬を決まった通り飲み続けられるかどうかへのサポートも治療継続に影響するため初診時から在宅かかりつけ医・訪問看護師との連携をとりできるだけ通院ではなく在宅で対処できるようにした。
胸水穿刺については穿刺部位は癌による皮膚浸潤のため施行できなかったが、化学療法の投与経過とともに症状の改善を認めたが胸水貯留の劇的改善は認めていないが皮膚・胸壁浸潤が改善しておりそれに伴って疼痛の改善を認めている。また右乳房からの浸出液も排出されなくなったため自宅での処置が必要なくなりQOLの維持ができている。

考察:1. 腎機能障害高齢者患者でのT+P+V治療は安全に継続投与可能であった。
2. 高齢者への薬剤投与ではより患者希望に沿った選択が必要であった。
3. 在宅処置を含め化学療法を継続するにあたり早期からの連携が重要であった。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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