演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

乳癌術後Docetaxel療法中に涙道障害を認めた2症例

演題番号 : P-58

[筆頭演者]
奥島 久美子:1,2 
[共同演者]
村上 朱里:1,2、日下部 恵梨菜:1,2、志田原 智広:1,2、野田 令菜:1,2、青木 玲奈:1,2、田口 加奈:1,2、西山 加那子:1,2、亀井 義明:1,2、高田 泰次:2

1:愛媛大学附属病院・乳腺センター、2:愛媛大学・肝胆膵・乳腺外科

 

涙道障害は、抗悪性腫瘍薬による眼部の有害事象のひとつとしてフッ化ピリミジン系であるS-1で最も多く報告されており、視機能の低下やQOLの低下をきたしうる重要な有害事象であるが、頻度や時期など詳細は明らかになっていない。近年docetaxel(以下DTX)やpaclitaxel、capecitabineによる報告がみられているが、今回、乳癌術後DTXを投与中に涙道障害を認めた症例を2例経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
1例目は50歳女性、左乳癌cT1bN0M0 StageⅠの診断で左乳房部分切除+センチネルリンパ節生検(腋窩郭清省略)を施行した。術後補助化学療法としてAC療法後にDTX療法の方針となった。左側内頚動脈瘤に対するクリッピング術後の左眼軽度視野障害の既往あり、眼科に定期通院中であった。DTX終了時に左眼優位に流涙の訴えがあり、左側上下涙小管閉塞と診断され、症状出現より1か月程度で内視鏡下涙道再建術+涙管チューブ挿入術を施行された。再建術後より流涙減少し、症状の改善が得られた。再閉塞予防のためのシリコンチューブは術後1か月で抜去され、以降は定期的な通水検査で経過観察されており、再閉塞は認められていない。
2例目は75歳女性、右乳癌cT2N0M0 StageⅡAの診断で右乳房全切除術+センチネルリンパ節生検(腋窩郭清省略)を施行し、術後補助化学療法としてAC療法後にDTX+トラスツズマブの方針となった。糖尿病性網膜症、白内障の既往あり眼科に定期通院中であった。化学療法開始後より軽度の眼痛の訴えあり、眼科でドライアイと診断され点眼で症状改善していたが、DTX終了時に両側流涙の訴えがあり、眼科で両側上下涙小管閉塞と診断され、症状出現より1か月程度で両眼内視鏡下涙道再建術+涙管チューブ挿入術を施行された。再建術後より流涙減少し、術後3か月で再狭窄予防のためのシリコンチューブは抜去され、以降も症状の再燃は認められていない。
今回症状出現から比較的早期に治療介入できたと考えるが、S-1のみならずDTX使用時においても、涙道障害が出現する可能性を念頭におき、症状の聞き取りや眼科医との情報共有をしていくことが重要であると考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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