演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

アブラキサン、トラスツズマブにペルツズマブを併用した乳癌術前化学療法の検討

演題番号 : P-52

[筆頭演者]
豊田 千裕:1 
[共同演者]
水野 豊:1、奥村 真衣:1、清水 佳美:1

1:市立四日市病院・乳腺外科

 

【緒言】近年乳癌術前化学療法(NAC)においてタキサン系薬剤の先行投与がpCRを高めること(Neo-tAnGo試験)、従来のパクリタキセルよりも アブラキサンがよりpCRを高めること(GeparSepto 試験)が報告されている。また、HER2陽性乳癌に限ると、トラスツズマブ+ドセタキセルと比較し、トラスツズマブ+ドセタキセル+ペルツズマブでpCR率の有意な上昇(29.0% vs 45.8%, p=0.0141)が報告されている(NeosSphere試験)。

【目的】HER2陽性乳癌に対するアブラキサン、トラスツズマブにペルツズマブを併用(HP+nabPTX)したNACの有用性と安全性を検討する。

【対象】2018年12月~2020年5月までに行ったNAC(n=14)症例中、HP+nabPTX followed by FECを投与し組織学的治療効果判定が行われた7例を対象とした。年齢中央値:48歳(41~76歳)。T1:2例(29%)、T2:3例(43%)、T3:1例(14%)、T4:1例(14%)。N0:1例(14%)、 N1:6例(86%)。ER+/HER2+:2例(29%)、ER-/HER2+:5例(71%)。

【方法】アブラキサン 260mg/m2をtri-weekly 4 cycle投与と同時にトラスツズマブ 8~6mg/kg+ペルツズマブ 840~420mgを併用して投与した後、FEC100をtri-weekly 4 cycle投与した。pCRはypT0ypN0ないしはypTisypN0と定義した。またアブラキサン投与中は全症例において末梢神経障害(CIPN)の予防対策として手術手袋圧迫療法を行った。

【結果】観察期間中央値は12.5ヶ月(9~16ヶ月)、臨床的奏効率は100%(7/7)(CR:6例、PR:1例)。pCR率は85.7%(6/7)でER+/HER2+:50.0%(1/2)、ER-/HER2+:100%(5/5)。pCR、non-pCRの12.5ヶ月時点での無病生存率、全生存率はともに100%で有意差は認めなかった。HP+nabPTX 投与中の全有害事象は、CIPN:5例(Grade1:4例、Grade2:1例)、下痢Grade1:1例、貧血Grade2:1例、皮疹Grade1:1例であり、Grade3以上の有害事象は認められなかった。

【考察】少数例の検討とレジメンの違いはあるが、HER2陽性乳癌に対するHP+nabPTXレジメンはNeosSphere試験を上回る高いpCR率が得られ、かつ適切なCIPNの予防を講じることで忍容性が高いことが示された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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