演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

乳がん術後の患側上肢の浮腫を背景に発生したStewart Treves症候群の1例

演題番号 : P-51

[筆頭演者]
藤井 正宏:1,2 
[共同演者]
山田 健志:3、佐藤 直紀:2、村田 嘉彦:2、小沢 広明:4、村田 透:2

1:豊橋市民病院・乳腺外科、2:岡崎市民病院・乳腺外科、3:岡崎市民病院・腫瘍整形外科、4:岡崎市民病院・病理診断科

 

Stewart-Treves syndromeとは,種々の原因による四肢の慢性のリンパ浮腫を発生母地とした脈管肉腫を主体とした症候群である。稀な疾患で、悪性度は高く、治療法は未だ確立していない。乳がん術後に浮腫を来した患肢に、Stewart Treves症候群を発症した1例を経験したので報告する。症例:50歳時に右乳がん(T3N1M1((OSS))・病期4・LuminalB(HER2-))の診断を得て、Trastuzumab+Paclitaxel、Lapatinib+Capecitabine、Lapatinib+Capecitabine+Cyclophosphamideの投与を経てM0と確認したので、診断後2年1月後に右Bt+Ax(III)を施行した。病理は、pT2N3M0、pStageIIIC、LuminalB(HER2-)であった。術後補助療法は、放射線療法(左Cw&Sc、50Gy/25Fr)と、Letrozoleの投与を行った。診断後3年4月後に当院リンパ浮腫外来で右上肢浮腫(病期II期晩期)と診断し、患側上肢リンパ浮腫に対する複合的治療を開始した。診断後8年0月時に右上腕内側に2x1cm程度の皮疹を認めた。複合的理学療法で使用しているスリーブによる圧迫痕の可能性を考え、スリーブの使用を中止してが、1週間後も皮疹は変化しなかった。CTで新生物の転移・再発は認めなかった。診断後8年1月時には右上腕内側の皮疹は12x18cmに増大したが、疼痛・出血・潰瘍形成は認めなかった。臨床経過より、Stewart Treves症候群を疑い、皮膚のトレパン生検を施行した。病理はAngiosarcoma with chronic lymphedemaであった。これに対し、Paclitaxelの投与による治療を開始した。治療開始後、2ヶ月ほどで右上腕内側の皮疹は軽快した。その後、徐々に右上腕内側の皮疹は増悪し、治療開始後1年で永眠された。考察:本例は、Stewart Treves症候群を念頭に置いて診断を行い、皮膚潰瘍・出血を起こす前に治療を施行した。腋窩郭清を施行した患側上肢に原因不明の皮疹を認めた場合には、皮膚生検による原因検索をすべきと考えた。治療手段は、手術療法や化学療法だが、根治を得ることは困難である事より、治療方針は、効果のみならず患者の意向やQOLも勘案して決めるべき、と考えた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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