演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

DCIS術後10年で多発骨転移を生じ、抗HER2薬とゾレドロン酸併用療法が奏功している1例

演題番号 : P-50

[筆頭演者]
山田 恭吾:1 
[共同演者]
丹場 太陽:1、鶴田 覚:1、横山 拓史:1、松浦 修:1、橋爪 正:1

1:下北医療センターむつ総合病院

 

【緒言】DCISは、外科的切除による局所療法のみで予後が極めて良好で、術後補助療法は必要ないともいわれる。今回我々は、DCISの乳房切除後10年で多発骨転移をきたし、抗HER2療法が奏功している1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。【症例】59歳女性【既往歴・合併症】内外痔核、下肢静脈瘤【現病歴】10年前、前医で乳がん手術(円状切除・乳頭乳輪部合併切除およびセンチネルリンパ節生検)施行。病理結果は、非浸潤性乳管癌(4.0x1.8x1.1cm)、intraductal spread(+)、DFM4mm、ew(+)、ER0%、PR0%、HER2 判定不能(乳管内進展部3+)。術後治療方針は残存乳房照射50Gy、boost10Gy、定期検査となった。【経過】6ヵ月毎の採血・超音波、12ヵ月毎のMMGを5年繰り返し、6年目以降は年1回の検査としていた。術後9年でも異常を指摘できなかったが、その半年後に左側胸部に神経痛様の疼痛を訴えて受診。メロキシカムの内服で症状改善した。その後半年間受診なく、術後10年の定期検査でCEAの急激な上昇と、右下腹部痛、体重減少を訴えた。大腸癌を疑いつつ、CT検査を施行したところ、左鎖骨上窩に多発するリンパ節、胸骨、肋骨、椎体、骨盤骨、頭蓋骨の腫瘤形成が多発、前縦隔左側に不正な軟部陰影が指摘された。再発に対する1次治療は、左鎖骨上リンパ節針生検の結果がHER2 3+であり、ハーセプチンとペルツズマブとドセタキセル、ゾレドロンの併用療法を選択。8コース経過し、TMの正常化と画像上の効果が認められている。【考察】DCISは間質浸潤を示さない乳がんで局所疾患である。外科的切除後に再発、遠隔転移を認める症例は稀で、0.4%程度しか報告がない。管内進展範囲が2cm以上に及ぶと頻度が上昇するとも報告されている。【結語】本症例はDFM4mm、ew(+)と断端は陽性であり、浸潤部が存在しうる可能性を常に念頭に置き、経過観察するべきだったと思われた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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