演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

骨肉腫様成分が主体を占めた乳腺化生癌の1例

演題番号 : P-48

[筆頭演者]
林野 健太:1 
[共同演者]
平田 泰三:2

1:岡山市立市民病院・血液内科、2:呉医療センター・中国がんセンター・腫瘍内科

 

【はじめに】化生癌とは上皮成分の明らかな癌胞巣より肉腫様部分への漸次移行像を示すもので、骨・軟骨化生を伴う癌は特殊癌に分類され、発生頻度は0.003-0.12%と非常に稀であり、通常の乳癌と比較して予後は不良であり、治療法は確立されていない。今回我々は骨肉腫成分を主体に、未分化多型肉腫や血管肉腫が混在した多発転移を有する乳腺化生癌を経験したので報告する。【症例】56歳女性、X年3月頃から左胸に腫瘤が出現、その後徐々に増大するためX年9月に受診した。腫瘤は長径20cm程度で自壊部から悪臭を伴う浸出液を認め、CTでは腋窩リンパ節と両肺、左大腿に転移を疑れた。針生検では確定診断に至らず、局所コントロール目的にX年10月に左乳房切除術を施行した。摘出した病理組織は骨肉腫成分が優勢で未分化多型肉腫と血管肉腫も混在しており、一部で上皮性結合を示す多形の異型細胞が紡錘形の肉腫様成分に移行する像が認めたため化生癌と診断した。術後は最も主たる骨肉腫に対する治療に準じてADM 60mg/m2+CDDP 100mg/m2で加療を開始した。4コース終了時には病変は縮小傾向であったが、grade2の腎障害が生じたため一旦化学療法を中止し、転移巣の局所切除を行うことにした。X+1年3月に左大腿腫瘤を切除、術後病理では神経鞘腫と診断された。X+1年4月のCTで転移巣が増大していたため予定していた肺切除を中止し、Eribulinを投与した。2サイクル終了時点でPDであったため、Pazopanibに変更したがgrade3程度の嘔吐が出現したため化学療法を中止した。その後倦怠感が出現、CTで心臓転移を指摘されエコーでも心機能が低下していた。X+1年9月に永眠された。【結語】骨・軟骨化生を伴う化生癌は非常に稀であり、化学療法などについて明確な指針は未だにない。本症例では骨肉腫にADM+CDDPで化学療法を開始した。4コース終了した時点で腫瘍はやや縮小傾向であった。症例数が非常に少なくはっきりとした予後は不明であるが、診断時にすでに多発転移を有し、原発巣では未分化多型肉腫や血管肉腫が混在しており非常に異型性が強かったことを考慮するとある程度治療効果があったのではないかと推測している。今後更なる症例を蓄積した上で、骨・軟骨化生を伴う化生癌の治療法を検討していく必要があると考える。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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