演題抄録

口演

開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

精巣腫瘍における腫瘍マーカー濃度と病期、予後

演題番号 : O61-3

[筆頭演者]
程塚 直人:1 
[共同演者]
林 達郎:2、木村 剛:2、野崎 修平:1、遠藤 州馬:1、栗林 英吾:1、中森 央基:1、大林 康太郎:1、鈴木 康友:1、近藤 幸尋:2

1:日本医科大学千葉北総病院・泌尿器科、2:日本医科大学付属病院・泌尿器科

 

背景
精巣腫瘍において転移リスク、予後因子に基づいた治療戦略が重要である。非セミノーマの転移リスクは脈管侵襲陽性、胎児性癌の割合が50%以上、細胞増殖率70%以上とされる。進行性精巣腫瘍の治療戦略においてはIGCCC分類が広く利用されている。現在、この分類以外に生命予後を予測できる推奨指標はない。今回、我々はAFP density(AFPD)とhCG density(hCGD)から病期や予後を推測できるか検討した。
方法
当院で2008年5月から2019年5月の間に初期治療を行った104例中、初診時AFPが高値であり、高位精巣摘除術の病理組織診断にて胎児性癌成分または卵黄嚢腫瘍成分を含む29例をAFP陽性群とし、病理組織成分にかかわらずhCG高値であった40例をhCG陽性群とした。初診時AFP値/{摘出精巣重量(g)x(胎児性癌の割合+卵黄嚢腫瘍の割合)}=AFP density(AFPD)、初診時hCG値/摘出精巣重量(g)=hCG density(hCGD)と定義した。
AFPD, AFP値、hCGD、hCG値、%胎児性癌>50%、脈管侵襲の各因子とTNM分類並びに癌特異生存率(CSS)との関連をロジスティック回帰分析、χ2検定で解析した。
結果
AFP陽性群において、29例中2例が癌死(観察期間中央値48.5ヶ月)。AFPD中央値は2.3ng/ml/g(0.02-815)。TNM分類のstageはそれぞれ1A6例、1B9例、1S3例、2A2例、2B2例、3A4例、3B6例、3C3例であった。
%胎児性癌>50%は14例、脈管侵襲は21例に認めた。AFPDはTNM分類、CSSと有意な相関を認めた(p=0.021、p=0.014)。hCG陽性群において、40例中2例が癌死(観察期間中央値52.5ヶ月)。hCG中央値は2.52(0.01-1168)。13例がセミノーマ、27例が非セミノーマであった。TNM分類のstageはそれぞれ1A8例、1B12例、1S6例、2A3例、3A3例、3B4例、3C1例であった。%胎児性癌>50%は11例、脈管侵襲は29例に認めた。脈管侵襲はTNM分類と有意な相関を認めた(p=0.022)。
考察
AFP陽性群においてAFPDのみがTNM分類、CSSと相関し、hCG陽性群において脈管侵襲がTNM分類と相関していた。AFPDに基づいた治療戦略の可能性が示された

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:診断

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