演題抄録

口演

開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

神経内分泌腫瘍(カルチノイド)における転移性骨腫瘍の特徴

演題番号 : O40-6

[筆頭演者]
吉田 雅博:1 
[共同演者]
筑紫 聡:1、濱田 俊介:1、藤原 那沙:1

1:愛知県がんセンター

 

【目的】神経内分泌腫瘍(カルチノイド)はまれな腫瘍であるが、骨転移の頻度や報告も少ない。カルチノイドで骨転移を発症した症例の臨床的な特徴について検討することを目的とした。
【対象と方法】
2006年から2020年までに当院で治療を行ったカルチノイドのうち骨転移を発症した12例を対象とした。内訳は男性7例女性5例で、平均年齢は57歳(31-76歳)、平均経過観察期間は37ヶ月(7-80ヶ月)であった。カルチノイドの原発巣、悪性度、骨転移の数と部位、骨転移様式、疼痛の有無、PS、使用薬剤、照射の有無、治療効果、及び転帰につき検討した。
【結果】原発巣は肺が6例、大腸が5例、胃が1例であった。悪性度はG1が9例、G2が3例であった。骨転移の多発が9例、単発が3例、転移部位は脊椎が9例、骨盤と肋骨が4例、大腿骨が2例で、骨転移様式は硬化型が4例、混合型が4例、溶骨型が4例であった。全例に骨転移による疼痛を認め、PSは1が8例、2が2例、3が2例であった。薬剤はアフィニトール、サンドスタチン、ソマチュリンなどを使用し、悪性度の高い症例には白金製剤を中心にした化学療法がおこなわれていた。照射は骨転移を中心に12例中10例に行った。治療効果は、全例とも3か月以上のSDを継続していた。転帰はDODが8例、AWDが4例であった。
【考察】カルチノイドの発生頻度は10万人中数例とまれであり、肝臓やリンパ節に転移しやすく、骨転移は約10%で、比較的緩徐に進行するとされている。我々の検討では、平均経過観察期間は約3年で、骨硬化型を多く認め、予後不良とされている溶骨型と比較して大きな差は無かった。多発性の骨硬化病変で発見された場合、まず念頭におくのは、前立腺がん、乳がん、肺がんなどの骨転移であるが、カルチノイドの既往が無いか、消化管に病変が無いかを調べておく必要があると思われた。カルチノイドの骨転移は有痛性であったが、照射は疼痛の軽減や進行の抑制に比較的有効であった。

キーワード

臓器別:NET(神経内分泌腫瘍)

手法別:集学的治療

前へ戻る