演題抄録

口演

開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

当科における四肢の転移性骨腫瘍に対する治療経験

演題番号 : O40-3

[筆頭演者]
藤丸 直弥:1 
[共同演者]
山本 憲男:2、林 克洋:2、武内 章彦:2、三輪 真嗣:2、五十嵐 健太郎:2、米澤 宏隆:2、荒木 麗博:2、森永 整:2、淺野 陽平:2、土屋 弘行:2

1:市立輪島病院・整形外科、2:金沢大学・整形外科

 

【背景】
がん患者の予測予後は治療方針の参考となるが、手術などの治療により実際の予後とは異なることをしばしば経験する。骨転移は病期StageIVであり、その予後は不良であることが多いが、当科では原発巣の治療を担当している主治医とも相談し、手術によりQOLの大きな改善が見込まれる症例に対して積極的に手術加療を行っている。術前に見込まれた予後と、手術加療後の実際の予後との比較について検討した報告は少ない。そこで四肢の転移性骨腫瘍に対して当科で手術加療を行った症例において、術前に予測された予後と実際の生存期間を病的骨折の有無別、術式別に比較検討した。
【対象と方法】
1998年から2019年に当科にて手術を行った転移性骨腫瘍63例(上腕骨22例、大腿骨41例)を対象とした。性別は男性27例、女性36例で、平均年齢は64歳、がんの原発は腎細胞癌17例、乳癌9例、肝細胞癌7例、その他27例であった。病的骨折は25例に認めた。姑息的手術が26例(掻爬+セメント内固定)、根治的手術が37例(広範切除+再建術、もしくは四肢切断術)で、広範切除後の再建は液体窒素処理骨21例、腫瘍用人工関節13例であった。統計学的評価は術式別、病的骨折の有無別にKaplan-Meire法による生存曲線を描きlog-rank検定、Bonferroni法にて比較した(p<0.05)。
【結果】
全例の生存期間中央値は39か月であった。病的骨折群の生存期間中央値は12か月、病的骨折なし群の生存期間中央値は56か月であった(p<0.01)。術前の新片桐スコアは姑息的手術群、根治的手術群(液体窒素処理骨再建術群、腫瘍用人工関節置換術群)でそれぞれ平均4.9点、4.6点(4.2点、5.2点)であった(p=0.22)。姑息的手術、根治的手術(液体窒素処理骨再建術、腫瘍用人工関節置換術)の生存期間中央値はそれぞれ22か月、47か月(94か月、25か月)であった(p=0.09)。
【考察と結論】
術前の平均新片桐スコアは中リスクであり、予測された生存期間中央値は9か月と考えられたが、手術加療後の実際の予後はそれよりも長い傾向にあった。特に病的骨折をきたしていない症例、根治的手術施行例において、術後の生存期間が長い傾向を認めた。本研究では術後の化学療法など他の治療の影響を考慮していないため、手術加療の正確な予後への寄与を検討するためには、今後、手術加療以外の治療法の影響も考慮した多変量解析も必要である。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:手術療法

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