演題抄録

口演

開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

転移性膵腫瘍切除例における臨床的特徴と治療成績の検討

演題番号 : O29-4

[筆頭演者]
木下 翔太郎:1 
[共同演者]
林 洋光:1、谷崎 卓実:1、松本 嵩史:1、北野 雄希:1、甲斐田 剛圭:1、今井 克憲:1、山下 洋市:1、馬場 秀夫:1

1:熊本大学・消化器外科

 

【はじめに】遠隔転移を伴う悪性腫瘍は一般に予後不良であり、遠隔転移巣切除の意義に一定の見解はない。転移性膵腫瘍は比較的稀であるが、転移巣切除後長期生存例も報告されている。今回、当科における転移性膵腫瘍に対する切除例の臨床病理学的特徴と切除後予後を検討し,切除の意義を検証する。
【対象と方法】2006年1月から2020年5月に転移性膵腫瘍に対して切除を行った9例の臨床病理学的特徴と手術治療成績を後方視的に検討した。
【結果】男性:女性=3:6, 年齢中央値は69(44-75)歳。原疾患は腎細胞癌7例,S状結腸癌1例、子宮頸癌1例であった。原発巣切除から膵転移巣切除までの期間は中央値4149(1518-7312)日。特に腎細胞癌例では、膵転移巣切除までの期間が中央値5266(1518-9728)日と10年以上経過していた。単発7例,多発2例(ともに腎細胞癌)。単発例における腫瘍占拠部位は膵頭部2例,体部4例,尾部1例。造影CT上、転移性膵腫瘍は、全例多血性腫瘍として描出された。術式は膵頭十二指腸切除3例,膵体尾部切除3例,膵全摘2例,膵中央切除1例であった。膵切除後からの生存期間中央値は1262日(7-2832日)で、2例では、8年以上長期無再発生存していた。9例中3例(腎細胞癌2例、S状結腸癌1例)で術後1年以上経過した後に再発を認め、そのうち2例は、術前より異時性の肺転移、または同時性の肝転移・肺転移を認めていた。原病死している3例は全て術前より膵臓以外の他臓器に異時性または同時性の転移を認める症例であった。
【考察】転移性膵腫瘍切除例の原発は腎細胞癌が多く,原発巣切除から膵転移までの期間が長い症例が多かった。術前に異時性・同時性に他臓器転移がない症例では、膵切除後も良好な予後が得られていた。
【結語】転移性膵腫瘍に対する切除は,腎癌の転移に対して主に行われており、膵以外の異時性・同時性転移を認めない症例では予後の向上が見込める。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:手術療法

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