演題抄録

口演

開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

FOLFOXIRI+Bevacizumab:本邦における2種類のレジメンの比較

演題番号 : O28-7

[筆頭演者]
風間 慶祐:1,2 
[共同演者]
塩澤 学:1、菅野 伸洋:1、佐藤 純人:1、高村 卓志:1、岡本 浩直:1、井口 健太:1、額田 卓:1、沼田 正勝:2、青山 徹:2、玉川 洋:2、大島 貴:1,2、湯川 寛夫:2、益田 宗孝:2、利野 靖:2

1:神奈川県立がんセンター・消化器外科、2:横浜市立大学附属病院・外科治療学

 

【背景/目的】切除不能・進行再発大腸癌に対するFOLFOXIRI+Bevacizumab(Bv)療法に関して, 本邦では2つの単アーム第2相試験が行われた結果, 海外試験と同量のregimen(Q-regimen)と, 日本人用に減量調整されたレジメン(J-regimen)とが臨床使用されている. J-regimenは有害事象の減少が期待されるが, これらを直接比較した知見は乏しい. 本検討では上記2種のregimenの安全性と有効性を比較検討することを目的とした.
【方法】神奈川県立がんセンター大腸外科における単施設後ろ向きコホート研究. 2016年1月から2019年12月にFOLFOXIRI+Bvにより一次治療が施行された切除不能・進行再発大腸癌全100例(Q-regimen使用群(Q群):N=30, J-regimen使用群(J群):N=70)を対象とした. Primary endpointは無増悪生存期間(PFS), Secondary endpointsは最良効果判定(Response) , 安全性(Grade3以上の有害事象発生率)とし, Dose Intensity(DI)を計算した. 各々のregimenの用量は以下の通り. Q-regimen; 5-fluorouracil(5FU)=3200mg/m2/2week, Irinotecan(IRI)=165, Oxaliplatin(OX)=85. J-regimen; 5FU=2400, IRI=, OX=85.
【結果】(以下Q群 vs. J群) 観察期間の中央値は16.3 vs. 16.4カ月. 患者背景は, 年齢, 性別, 同異時性, 原発巣切除有無, 化学療法前PS 0/1≦, 転移臓器数1/2≦に差を認めなかったが, J群でRAS野生型が多く(13.3 vs. 42.9%), 右側癌が多かった(20.0 vs 41.4%). PFSの中央値は8.7 vs. 11.5カ月(p=0.098) であり. RECISTによる効果判定では, 全奏効率は43.3 vs. 65.7%(p=0.047), 病勢コントール率90.0 vs 97.1%(p=0.158)であった. 全コース中のGrade3以上の有害事象発生率は90.0 vs. 74.3%(p=0.108)であった. 前期4コース終了時点での同有害事象発生率は83.3 vs 60.0%(p=0.036)であり, 同時点でのDIについて, 5FU; 1821 vs. 1705 mg/m2/2week(p=0.079)とQ群で高い傾向がある一方で, IRI; 75.3 vs. 92.9mg(p=0.031), OX; 46.5 vs. 50.7(p=0.07) とJ群で高く, 4コース終了に要した期間の中央値は13 vs 11週(p=0.009)と, J 群で短かった.
【結語】実臨床においてJ-regimenはQ-regimenと比し, 有効性, 特に奏効率に関して優れている可能性が示唆された. 理由として、投与前期の有害事象発生率が低く, 同時期の安定した薬剤投与が可能であることが考えられた.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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