演題抄録

口演

開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

コロナ蔓延期の化学療法レジメン選択(NLRとリンパ球数の有用性)

演題番号 : O8-2

[筆頭演者]
宗岡 克樹:1 
[共同演者]
白井 良夫:1、佐々木 正貴:1、坂田 純:2、神田 循吉:3、若林 広行:3、若井 俊文:2

1:新津医療センター病院・外科、2:新潟大学・消化器・一般外科、3:新潟薬科大学・薬学部・臨床薬物治療学

 

背景】コロナ蔓延期における進行がん化学療法の目標は、感染しないこと、感染した場合でも重症化しないこと、コロナ治癒後に化学療法が再導入可能なことである。コロナ蔓延期での進行がんに対する抗がん剤治療は、患者ごとに主治医の判断で行われている。標準治療を施行することが求められるが、投与間隔の延長や内服薬への変更も提案されている。コロナ患者の重症例ではNLR(好中球数/リンパ球数)高値,リンパ球低値の傾向があるとの報告が複数認められる。【目的】コロナ蔓延時における進行がんに対する化学療法のレジメン選択において、NLR、リンパ球数の有用性について検討する。【方法】新潟市で緊急事態宣言発令時に化学療法施行中の切除不能進行癌症例(膵胆道4例、大腸3例、胃2例、乳腺2例)を対象とした。男性7例,女性4例,年齢は61歳~92歳(中央値71歳)であり,PS1が4例、2が5例、3が2例であった。海外での報告では、NLR値3以上、リンパ球数1200以下、14日以内の化学療法の既往はコロナの重症化率が有意に高く、回復率はNLR>3vsNLR<3では62%vs94%と差を認めた。NLR<3かつリンパ球数1200以上では、現状レジメンを継続し、NLR>3あるいはリンパ球数1200以下では、減量や経口剤へレジメン変更した。NLR>5かつリンパ球1000以下では化学療法を中止した。レジメン変更前後のPS VES-13を測定した。【結果】化学療法を中止した症例は、3例(乳癌肺転移(fulvestrant, NLR 6, LYM 1000)、膵癌肺転移(GEM/nabPXL, NLR 5.8 LYM 300)、胆嚢癌リンパ節転移(GEM/S-1, NLR 17,LYM 900)であった。継続は8例、(大腸3例IRIS+Pmab→S-1+Pmab(NLR 2.4, LYM 1600)、Cape+Bmab →S-1+Bmab(NLR 1.2, LYM 1800)、S-1(NLR 1.2, LYM 1600)、膵臓1例FOLFIRI(NLR 3, LYM 1200 )、胃2例XP+HER(NLR 0.7, LYM 1900) S-1(NLR 1.6, LYM 1100、乳腺1例 TDM1( NLR 1.9, LYM 1000)、胆道1例GEM/S-1(NLR 2, LYM 1300)であった。レジメン変更による短期のPSの低下ならびにVES-13の増大は認めなかった。化学療法を中止した2例ではリンパ球数の増加とNLRの低下が認められた。【結論】それぞれの地域のコロナ蔓延状況と治療薬の有無及び患者の状態を考慮したレジメン選択に、NLRとリンパ球数は有用と考えられた。

キーワード

臓器別:その他

手法別:化学療法

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