演題抄録

口演

開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌に対するRadium-223治療症例の予後予測因子の検討

演題番号 : O5-5

[筆頭演者]
岩澤 智裕:1,2 
[共同演者]
原 智:2、宍戸 偉海:2、荻原 広一郎:2、勝井 政博:2、服部 盛也:3、前田 高宏:2、大家 基嗣:1

1:慶應義塾大学・泌尿器科、2:川崎市立川崎病院・泌尿器科、3:東京医療センター・泌尿器科

 

【目的】新規治療薬の登場に伴って去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に対する治療戦略は複雑化している。骨転移を有するCRPCのうち、Radium-223(Ra-223)がどのような症例に対して有効であるかを検討する。

【対象と方法】
川崎市立川崎病院において、2014年1月以降にCRPCと診断された症例のうち、骨転移を有するが内臓転移の認められなかった症例53例を対象とした。EAUによるCRPCの定義を満たした日をCRPC診断日として、CRPC診断日からの生存期間をCRPC後生存期間と定義した。Ra-223治療の有無によるCRPC後生存期間(OS)を後方視的に解析した。

【結果】
全53例のCRPC診断時の年齢中央値は76歳であり、このうちリンパ節転移を有する症例は28例(53%)であった。CRPC診断時PSA中央値、time to CRPC中央値、骨シンチグラフィー解析ソフトBONENAVI®によるBone scan index(BSI)中央値は、それぞれ6.22 ng/mL、15.4ヶ月、1.93%であった。Ra-223投与群ではRa-223非投与群と比較して、time to CRPCが長い傾向が認められた(34.7ヶ月vs13.4ヶ月、p=0.068)が、他の項目(CRPC診断時年齢、CRPC診断時PSA、リンパ節転移の有無、BSI)において両群間に有意差は認められなかった。
全症例の観察期間中央値は22.2ヶ月であり、観察期間内に27例の死亡が確認された。全体のOS中央値は36.4ヶ月であった。Ra-223投与群ではRa-223非投与群と比較して、OS中央値は有意に延長していた(46.9ヶ月vs29.1ヶ月、p=0.046)。両群の背景を揃えるため、CRPC診断時年齢、リンパ節転移の有無、CRPC診断時PSA、time to CRPC、BSIの5項目でpropensity score matchingを行い、Ra-223投与群10例とRa-223非投与群10例を比較したところ、同様にRa-223投与群においてOS延長が認められた(45.3ヶ月vs12.2ヶ月、p=0.016)。サブグループ解析では、CRPC診断時年齢が75歳以上の群とBSI≧2%の群においてRa-223投与の有効性が高かった。

【結論】
骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌において、Ra-223投与によりOSの有意な改善が認められた。特に75歳以上の高齢者およびBSI≧2%の骨転移量の多い症例に対してはRa-223投与の有効性が高く、治療法の選択に有用な可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:放射線治療

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