演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

高齢者を自宅に返すためにチームで取り組む消化器癌周術期リハビリテーション

演題番号 : WS28-4

[筆頭演者]
橋本 大輔:1,2 
[共同演者]
木下 浩一:2、大川 尚臣:2、松村 富二夫:2、山崎 裕子:3、興梠 博次:4

1:関西医科大学附属病院・外科、2:大牟田天領病院・外科、3:大牟田天領病院・リハビリテーション科、4:大牟田天領病院・呼吸器内科

 

背景:我が国の高齢化が進むにつれ、家族のサポートが得られなかったり脳血管疾患等でADLが低下している高齢者に対する消化器癌手術を行う機会が増えた。地方都市の一般病院には専門医療と医療のセンター化の恩恵にあずかることが難しい高齢の患者が多く訪れる。このような患者に消化器癌手術を行うと、術後にADLがさらに低下し在宅復帰が困難になるリスクが高く、BSCを選択されることも多い。確実に社会復帰させるためには術前からのリハビリテーションの介入は必須である。
目的:地方都市一般病院において我々が取り組んだ消化器癌周術期リハビリテーションの取り組みを示し、今後の課題を明らかにする。
対象と方法:2017年10月から2020年3月の間、452例の外科手術を行った。このうち消化器癌手術は98例であった。術前術後経過と行ったリハビリテーションについて、retrospectiveに解析した。
結果:年齢中央値は75.5歳で、80歳以上の超高齢者が31.3%を占めた。疾患の内訳は胃癌25例、結腸直腸癌42例、肝癌6例、胆嚢癌3例、胆管癌4例、膵癌18例であった。Performance status (PS)は0-1が73.5%、2-4が26.5%であった。全例で理学療法士が介入し、待機手術(95例)では術前からリハビリを行い、緊急手術(4例)でも術後速やかに介入した。週1回の理学療法士を含めた多職種の回診とカンファレンスを継続した。術前は運動機能評価と必要に応じて理学療法を実施、術後は速やかな離床を主な目的とし、術後1日目での立位を原則とした。急性期病棟での入院期間はDPC I期0%、II期25例(25.5%)、III期73例(74.5%)であり、34例(34.7%)で地域包括ケア病棟へ転棟しリハビリを継続した。最終転帰として癌の進行による在院死亡を2例(2.0%)認めたが、自宅や施設等入院前と同じ環境への復帰が91例(92.9%)で可能であった。緊急手術後の症例を中心に5例(5.1%)では術前よりPSが悪化し他院への転院が必要であった。
結語:多職種のチームで周術期リハビリテーションに取り組むことにより、高齢者であっても消化器癌手術後に在宅復帰を目指すことができる。一方で多くの患者で急性期病棟での滞在期間が長い。高齢化が進む中でも病院機能を維持するため、DPCを意識して地域包括ケア病棟でのリハビリ継続を行っていく必要がある。

キーワード

臓器別:その他

手法別:支持療法

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