演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

食道癌手術患者における術後サルコペニアと活動量の関連性に関する探索的前向き研究

演題番号 : WS28-3

[筆頭演者]
松井 一晃:1 
[共同演者]
川久保 博文:1、松田 諭:1、眞栁 修平:1、入野 誠之:1、福田 和正:1、中村 理恵子:1、和田 則仁:1、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学・一般・消化器外科

 

【背景】食道癌手術におけるサルコペニアに関して、周術期の筋肉量減少と長期予後との関連を示す報告は多いが、サルコペニアのもう一つの重要な側面である身体機能低下に関しては未だ明らかになっていない。【方法】食道癌の根治切除を予定する患者に対して、術前・退院直後・術後6ヶ月の3時点において活動量計による活動量測定を行った。活動度は1.5METs未満をSedentary behavior (SB)、1.5METs以上3.0METs未満をLow-intensity physical activity (LPA)、3.0METs以上をModerate to vigorous physical activity (MVPA)と定義した。筋肉量の評価はCTから算出した第3腰椎中間位の総骨格筋横断面積と生体電気インピーダンス法に基づく体組成計で測定された上肢・下肢・体幹の筋肉量を用いた。【結果】27名を対象として前向きに登録を行い、早期再発や長期入院、登録後に治療方針の変更があった症例等を除いた19名を解析した。各活動度における活動時間の平均値の推移を見ると、1日あたりのSBの割合は術前の68.5%に対して退院直後は77.0%に増加(p=0.041)し、LPA+MVPAの割合は31.5%から23.0%に減少(p=0.040)していたが、術後6ヶ月ではSBが69.9%、LPA+MVPAが30.1%と、術前に近い値まで改善していた(p=0.815,p=0.804)。しかしながら、術前から術後6ヶ月で活動度が低下している患者7名に限定すると、SBの割合が平均10.5%増加しており、活動度の推移には個体差が認められた。一方で筋肉量はいずれの指標でも術前から術後6ヶ月にかけて減少し続ける結果となり、退院直後のSB時間の割合と、術前から術後6ヶ月の総骨格筋横断面積の変化率に負の相関を認めた(p=0.026, r=-0.539)。術後6ヶ月時点でのSB時間(割合)に対する関連因子をStep-wise(AIC)法で抽出された項目による重回帰分析を行うと、男性(p<0.001)、術後反回神経麻痺(p=0.005)、術後入院日数(p=0.011)が独立した負の関連因子として、術前Albumin値(p<0.001)が独立した正の関連因子としてそれぞれ確認された。【小括】本研究により食道癌手術が日常生活の活動量に及ぼす影響、筋肉量と活動度の関連、さらに活動量低下の予測因子が明らかとなった。

キーワード

臓器別:食道

手法別:リハビリテーション

前へ戻る