演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第56回・2018年・横浜
 

公共図書館を通じたがん情報の普及に関する研究

演題番号 : O49-5

[筆頭演者]
演者)井上 洋士:1 
[共同演者]
八巻 知香子:1、高山 智子:1、若尾 文彦:2

1:国立がん研究センター・がん対策情報センター・がん情報提供部、2:国立がん研究センター・がん対策情報センター

 

【目的】がん相談支援センターは、広く誰でもが利用できる窓口として設置されているが、その認知度については常に課題とされてきた。また、科学的根拠のある信頼できる情報の普及が重要であることは繰り返し指摘されるが、昨今の不利益をもたらしうる情報の氾濫もあり、依然として課題である。これらの課題の解決にあたっては、医療分野のみの働きかけには限界があり、日常生活の中でがん相談支援センターや信頼できるがん情報に接する社会環境づくりが必要なのではないかと考えられる。
公共図書館は市民が日常的に情報を得る場として市民にも広く知られる場であることから、がん対策情報センターでは2014年度から公共図書館とがん相談支援センターとの連携による情報普及を試みてきた。この連携の意義と潜在的な可能性を明らかにするため、がん相談支援センター相談員と図書館員の双方が参加するワークショップ(以下WS)の開催による双方の現場スタッフへの効果を検証することを目的とした。

【方法】2016年11月(九州沖縄ブロック)、2017年2月(北日本ブロック)に、がん相談支援センター相談員ならびに図書館員が参加するWSを実施した。WSは、がん相談支援センターと図書館との連携の意義についての講義、好事例の共有、地域ごとのネットワーク作りの3要素から構成される半日のプログラムである。そのWSの参加者に対して、両者の連携が有効であると感じるか、ワークショップが連携の機会となりうるかについてアンケートを行った。

【結果】WSへの参加者のうち、125名から回答を得た。78%がWSが連携のきっかけになると感じており、97%がまた参加したい、90%が友人・知人に参加を勧めたいと回答した。自由回答では、「図書館は専門家へ繋ぐことができ、相談支援センターは情報発信が出来る」「図書館、病院で双方にニーズがあることがわかった」など、それぞれの機関の特性を活かした連携の必要性について意識され、それがWSの実施により具体化する可能性が記載されていた。

【考察】WSの参加者たちは、分野が異なるためこれまでに接触がなかった場合が多いと推察され、互いの役割やニーズを知る機会があれば、連携を有益であると捉えられるものと考えられた。信頼できるがん情報の普及や相談窓口の周知にあたって、公共図書館との連携は今後より重要になるものと考えられた。

キーワード

臓器別:その他

手法別:地域連携

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