演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第56回・2018年・横浜
 

放射性医薬品塩化ラジウム(233Ra)の適正使用にかかわる薬剤師の取り組み

演題番号 : O49-2

[筆頭演者]
演者)鈴木 敦詞:1 
[共同演者]
前田 剛司:1、鈴木 大吾:1、松沼 寛:2、春日井 震:2、福原 信之:2

1:春日井市民病院・薬剤部、2:春日井市民病院・泌尿器科

 

【目的】塩化ラジウム(223Ra)は、骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌治療として上市された放射性医薬品であり、その特性から安全な取り扱いを要する。安全・安心な施行までに多くの職種が連携することが重要とされているが、核医学領域への薬剤師の介入はまだ少ない。今回、塩化ラジウム(223Ra)の使用状況と適正使用に向けた薬剤師面談およびテンプレートを用いた医師・薬剤師・診療放射線技師との連携体制構築について報告する。
【方法】塩化ラジウム(223Ra)の採用にともない、治療予約、発注、オーダ方法など事前に取り決めを合同協議した。主治医、薬剤師間での情報共有ツールとして主治医用と薬剤師用テンプレートを作成した。テンプレートの項目には、適正使用に関わる投与前チェック項目(患者背景、検査項目、併用薬有無、自覚される有害事象、その他注意事項など)とした。外来通院患者においては、発注日および実施日に採血後医師診察前に薬剤師外来で事前面談を行い、血液検査項目をCTCAE4.0でGrade評価し、自覚される有害事象を確認した。主治医は診察時に薬剤師用テンプレートを確認し、承認することとした。2017年2月から2018年3月までに塩化ラジウム(223Ra)を導入した患者について、患者背景、投与状況、有害事象発現状況を電子カルテより後方視的に調査した。
【結果】塩化ラジウム(223Ra)の発注から投与日までのスケジュールを事前に合同協議したことで、円滑な治療を行うことが可能となった。対象患者は2名で、1名は入院中に実施し、3コース施行し、血液毒性により中止となった。1名は、外来で導入し薬剤師外来で事前面談、現在も治療継続中であった。有害事象は、Grade2の下痢1例、Grade3の血液毒性として血小板減少1例、ヘモグロビン減少1例がみられた。テンプレートを用いることで確認事項の未実施を事前に防止することができた。
【考察】核医学領域への薬剤師導入は近年進められているが、施設により取り組みが異なっている。薬剤師がこの領域に参画するためには知識習得が不可欠であり、施設設備の整備も必要であり、薬剤師目線による医療従事者の教育も課題と考える。薬剤師の介入により、有害事象の早期発見が可能であり、多職種と連携することで放射線医薬品の安全な治療に寄与すると考える。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:チーム医療

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