演題抄録

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開催回
第55回・2017年・横浜
 

stageⅣ大腸癌症例における原発巣左右別の予後因子の比較検討

演題番号 : WS8-6

[筆頭演者]
渥美 陽介:1 
[共同演者]
塩澤 学:1、神谷 真梨子:1、井上 広英:1、風間 慶祐:1、佐藤 純人:1、菅野 伸洋:1、森永 聡一郎:1、佐藤 勉:2、大島 貴:2、吉川 貴己:2、利野 靖:2、益田 宗孝:2

1:地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター・消化器外科、2:横浜市立大学・外科治療学

 

【背景】近年大腸癌原発巣の左右による予後の違いが報告されているが,日本人症例における報告は少ない.
【目的】当院のStage Ⅳ大腸癌症例を対象とし原発巣の左右に分けて予後,予後規定因子を比較検討する.
【方法】2009年11月から2014年8月に当科を受診しstageⅣ大腸癌と診断され初回治療を行われた,連続した170例を対象とした.盲腸癌,上行結腸癌,横行結腸癌を右側大腸癌,下行結腸癌,S状結腸癌,直腸癌を左側大腸癌と定義した.臨床病理学的因子を後方視的に集積し,右側大腸癌症例と左側大腸癌症例の生存期間を比較した.それぞれにおいて各臨床病理学的因子について生存期間を比較し,単変量解析で生存期間に有意差を認めた因子を独立変数として予後規定因子をCox比例ハザードモデルで検討した.
【結果】右側大腸癌52例と左側大腸癌118例の全生存期間はそれぞれ14.1か月と28.3か月,3年生存率は29.6%と42.7%であったがCOX比例ハザード回帰を用いて背景因子を調整したところ統計学的に有意な差は認めなかった(P=0.14).
多変量解析の結果,右側大腸癌は組織型[tub1/tub2/pap (MST:677 days) vs por/sig (MST:231 days), HR 5.56 ; P=0.004],一次治療で選択した分子標的薬の種類[抗EGFR抗体薬 (MST:1099 days) vs 抗VEGF抗体薬 (MST:372 days), HR 4.60 ; P=0.003],初診時イレウスの有無[なし (MST:503 days) vs あり (MST:253 days), HR 4.09 ; P=0.027],N因子[N0/N1 (MST:809 days) vs N2/N3 (MST:405 days), HR 2.50 ; P=0.037],左側大腸癌は腹膜播種の有無[なし (MST:1033 days) vs あり (MST:188.5 days), HR 4.65 ; P<0.001],治療経過中にCurB手術が行えたかどうか[yes (MST:NA) vs no (MST:638 days), HR 4.65 ; P<0.001],初診時PS[0 or 1 (MST:1066 days) vs ≧2 (MST:315 days), HR 4.65 ; P<0.001],所属外リンパ節転移の有無[なし (MST:1223 days) vs あり (MST:568 days), HR 4.65 ; P<0.001],BMI[≧22 (MST:1223 days) vs <22 (MST:750 days), HR 4.65 ; P=0.006]が独立した予後規定因子であった.
【結論】当院のstageⅣ大腸癌症例においては原発巣の左右差で予後に有意な差は認めなかった.左右で異なる予後規定因子が同定され,右側大腸癌にも抗EGFR薬が有効である可能性が示唆された.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:集学的治療

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