演題抄録

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開催回
第55回・2017年・横浜
 

切除不能進行大腸癌に対する原発腫瘍部位を考慮した分子標的治療薬の治療戦略

演題番号 : WS8-5

[筆頭演者]
佐川 保:1 
[共同演者]
濱口 京子:1、植村 尚貴:1、田村 文人:1、藤川 幸司:1、高橋 康雄:1

1:独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター・消化器内科

 

背景:CALGB 80405試験結果から切除不能大腸癌の1st-lineにおけるCetuximab(Cmab)併用療法とBevacizumab(Bmab)併用療法は、OSに差を認めなかった。しかし、探索的解析である原発病変部位別解析では右側(R)群でBmab、左側(L)群ではCmabの生存期間延長が確認され、原発巣の左右で分子標的薬の感受性が大きく違う可能性が示された。
目的:原発巣部位を考慮した切除不能進行大腸癌に対する分子標的治療薬の治療戦略の可能性について検討する。
方法:単施設、後方視的、case-control study。2011年1月~2016年12月、110例が検討対象となった。CmabまたはBmab併用化学療法が施行された前治療のない切除不能進行大腸癌における原発腫瘍部位と各種生存パラメーターの評価を行った。CmabまたはBmab治療グループにおける原発腫瘍部位のインパクトがそれぞれ解析された。左側大腸は直腸~脾彎曲、右側大腸は盲腸~横行結腸遠位側とした。
結果:左側(L)76例、右側(R)34例。Cmab群においてLではRに対してOSの著明に有意な延長が認められた(56.3 vs11.3 M, p = 0.0018)。Bmab群においてもLでOSの延長が認められた (OS, 27.8 vs 19.0 M, p = 0.0054). LにおいてCmab群ではBmab群に比較し、OSで有意に延長を認めた(56.3 vs 27.8 M, p = 0.0054)。一方、RではCmab群とBmab群においてOSに差を認めなかった(11.3 vs 19.0 M, p = 0.6011)。ETS(早期腫瘍縮小)の得られる割合はCmabではLに多く認められた(L63.9%、R35.7%)がBmabではLRに差を認めなかった(L52.5%、R50%)。Cmab群RにおいてETS症例ではnon-ETS症例に対してOSの延長を認めた(NR vs 10.4 M, p=0.0272)。
結論:LにはCmab、RにはBmabを用いる治療戦略の可能性が示唆された。RにCmabを用いた際にはETS症例ではCmab継続、non-ETS症例ではBmabへの変更も考慮すべきである。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:分子標的治療

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