演題抄録

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開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

下部進行直腸癌に対する術前化学療法の治療成績

演題番号 : WS8-4

[筆頭演者]
徳原 克治:1,2 
[共同演者]
住山 房央:1,2、中谷 和義:1,2、吉岡 和彦:1,2、權 雅憲:2

1:関西医科大学・総合医療センター・消化管外科、2:関西医科大学・外科学講座

 

【対象と方法】下部進行直腸癌(LARC)に対する術前化学療法(NAC)の安全性および術後短期成績を検証する目的で、NACを施行したLARC患者の術後成績を検討した。NACは3か月施行し、抗癌剤最終投与1か月後に原発巣切除手術を行った。
【結果】患者は13例。全例男性で、年齢は65歳(55~78歳)、ASA scoreは全例1、腫瘍局在はRab/Rb/Rb-Pが2/8/3例、腫瘍組織型はtub2/tub1/mucが11/1/1例、cStageはII/IIIa/IIIb/IVが2/1/9/1例であった。NACレジメンはCetuximab(Cmab)+mFOLFOX6 を4例、Cmab+SOXを2例、Cmab+FOLFIRIを1例、Panitumumab+mFOLFOX6を1例、Bevacizumab+SOXを3例、FOLFOXIRIを2例に施行した。ycStageはI/II/IIIa/IIIb/IVが1/4/4/3/1例であった。NACの有害事象として、CTCAE v.4.0 Grade(G)2以上を呈したものは、好中球減少4例、食欲不振、血小板減少が各2例、口内炎、ざ瘡様皮疹が各1例であった。手術は全例鏡視下に行い、sLAR+両側側方郭清(LPND)を6例、APR+両側LPNDを2例、ISR+両側LPND、Hartmann+両側LPND、APR+片側LPND、ISR,sLARを各1例施行した。側方リンパ節郭清個数は中央値12(3-20)個、手術時間は同538(168-609)分、術中出血量は同146(5-450)ml、術後在院日数は同15.5(10-43)日、肛門温存率75%であった。術後合併症として、神経因性膀胱4例(Clavien-Dindo GII)、縫合不全1例(同GIIIB)、腹腔内出血1例(同GIIIB)、腸炎1例(同GII)を認めた。ypStageはI/II/IIIa/IIIb/IVが1/4/5/1/2例であった。NACの組織学的抗腫瘍効果(HATE)はG1a/1b/2が5/3/5例であった。11例に術後補助化学療法(3か月)を、1例に術後治療的化学療法を施行している。観察期間は中央値19.2か月と短いものの、根治手術施行患者12例中、再発症例を2例(肝転移、腹膜播種)、他病死(急性心筋梗塞)を1例に認めている。
【まとめ】全症例中15.4%にGIIIBの術後合併症を認めた。原発巣に対するHATE G1b以上が61.5%を占めたことから、NACは癌局所制御に有効である可能性がある。現在はRAS statusがwild typeであれば、Cmab+SOX or +mFOLFOX6を、mutant typeであればFOLFOXIRIあるいはSOXIRIを術前術後それぞれ3か月間導入している(局所進行大腸癌に対する周術期化学療法に関する有効性および安全性の検討 ~第II相臨床試験~ UMIN000024323)。今回、若干の症例を追加し報告する。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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