演題抄録

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開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

放射線治療後の症候性骨転移に対する動注化学塞栓術を用いた積極的緩和治療

演題番号 : WS2-2

[筆頭演者]
平安名 常一:1 
[共同演者]
渡口 真史:1、牧野 航:1、有賀 拓郎:1、前本 均:1、椎名 秀樹:1、草田 武明:1、安座間 喜明:1、伊良波 裕子:1、村山 貞之:1

1:琉球大学・大学院医学研究科・放射線科

 

背景・目的:骨転移に対する緩和治療として放射線治療が最もエビデンスの高い治療法となっている。しかし、放射線治療後の再燃症例に対しては薬物療法では十分な症状緩和が得られず、次の治療法の選択に苦慮することが多い。我々は放射線治療後の症候性骨転移に対し動注化学塞栓術(TACE)を用いた積極的緩和治療を施行し、その有用性と安全性を後ろ向きに検討する。
方法:対象は2014年5月~2017年4月にTACE/TAEを行った放射線治療後の症候性骨転移32例。35病変に44回の手技を行った。原発巣は泌尿器癌(腎癌・尿管癌・膀胱癌)11例、頭頸部癌(上咽頭癌・下咽頭癌・口腔底癌・甲状腺癌)5例、子宮癌(子宮頸癌・子宮体癌)4例、肝癌3例、肺癌・大腸癌が2例ずつ、胸腺癌・膵癌・悪性髄膜腫・絨毛癌・骨肉腫が1例ずつ。治療部位は椎体骨(頸・胸・腰椎)15、骨盤骨(腸骨・坐骨・仙骨)16、肋骨3、大腿骨1であった。使用抗癌剤は肝癌(エピルビシン、シスプラチン)を除き、カルボプラチンを用いた。塞栓物質はゼラチンスポンジ、エンボスフィアを用い、症例に応じてマイクロコイルによる血流改変を施行した。検討項目は疼痛緩和率、有害事象、画像評価とした。疼痛評価は痛みが消失し、鎮痛剤も不要をCR、痛みは軽減したが、鎮痛剤が必要をPR、痛みは不変、あるいは増強をNRとし、CR+PR/CR+PR+NRを疼痛緩和率とした。画像評価は腫瘍サイズが50%以上の縮小をCR、50%未満の縮小をPR、サイズ不変をSRとした。
結果:TACEは24例に35回、TAEは8例に9回行った。疼痛緩和率はTACEで96%、TAEで67%であった。有害事象はTACEの症例で白血球減少(G3:2例、G4:1例)と血小板減少(G4:3例)を認めたが、他には問題となる有害事象は無かった。治療後の画像評価は27例で得られ、CR 7例、PR 6例、SR13例であった。TAE(8例)の症例は全てSRであった。
結論:骨転移に対するTACEは安全に施行しうる手技で良好な疼痛緩和も得られることから、放射線治療後の症状再燃に対する積極的緩和治療の選択肢に十分なりうる。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:緩和医療

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